【色彩科学】有彩色とは|色の種類と三属性-色相・明度・彩度


NORi
こんにちは、NORi です。

今回のテーマは
『有彩色と色の三属性』です。

NORi
書店に並ぶ
水彩画の描き方などの本に
 

色相を揃えましょう」

明度を下げましょう」

彩度の高い色から
塗りましょう」

などと書かれているのを見て、
 

最初は
さっぱり分からず

しょんぼりしてしまったのを
思い出します。

NORi
今回は、

「色相」「明度」「彩度」という
言葉の意味だけでなく、

そこで学んだ知識を
どのように絵の表現に活用すればよいか
まとめてみたいと思います。
 

美しい色の塗り方に、
ぴん!ときますように。

 

【有彩色と色の種類】①色相と色相環


色相とは赤、青、黄などの
色彩を特徴づける『色味』のことです。

私達は目に入る光の波長で
色味(色相)の違いを感じています。
 

そもそも『色』として認識することができる
光の波長領域のことを可視光と呼びます。
 

太陽光(白色光)をプリズムで分離すると
虹色のスペクトルを見ることができます。

雨上がりの空に見える虹と同じです。
 

これが可視光領域の光で、

光の波長の変化に対応して
私達は色味(色相)が変化していく様子を
見ることができます。
 

虹色の中に含まれる色を『純色
といいます。

最も鮮やかな色相です。
 

これらの純色を様々な割合で混色することで
色の数は無限に広がっていきます。
 

色を科学的に研究した最初の人は
ニュートンと言われています。
(Isaac Newton:1643-1727)
 

ニュートンは
太陽光(白色光)にプリズムを当てる
実験を繰り返し、
連続した無数の色の帯に分離されることを
発見しました。

これをスペクトルと名付けました。
 

昔から謎につつまれていた
空にかかる美しい虹の正体が
明らかになった瞬間でした。
 

ニュートンは虹の中に見られる
赤、青、黄といった純色の色相の変化を
丸い円の上に配列しました。

これは色相環と呼ばれていて、

現在も色相の特徴をより良く表そうと
様々な色相環が提案されています。
 

【有彩色と色の種類】②彩度(有彩色と無彩色)


色の”鮮やかさ”、”鮮明さ”の指標を
『彩度』といいます。
 

最も鮮やな色は虹の色です。

虹色の中に含まれるる7色の色味(色相)は
最も鮮やかな(最高彩度)の色相
『純色』と呼びます。
 

虹の色というのは
太陽の光の波長が少しずつシフトしていく
波長の変化によって現れる現象で、

純粋に1つの波長帯で表すことのできる
1つの固有の色味(色相)が見えています。
 

したがって、
虹の中の色味(色相)は
純粋に1つの波長帯にだけに対応した

これ以上無い、最高純度の色なのです。
 

そのため、
虹色の中に含まれる色は
最も色味(色相)の純度が高い
『純色』と定義されています。

【色彩科学】彩度とは|鮮やかな色が美しい水彩画を描くキモ

この虹の色を基本の色として
様々な割合で混色すると
徐々に色相の種類が増えますが、

混色の割合によって
色の純度は変わっていきます。
 

他の色が混ざれば
色の純度は下がります。

 

混色の割合が少なく
基本の色の純度がまだ高い色は

鮮やかさや鮮明さを保持しているので
彩度が高いといいます。
 

一方で
混色が進めば進むほど

基本の色の純度は下がっていき、
色味(色相)の鮮やかさは鈍くなります。
 

最も彩度が低い色は
黒色ということになります。

黒色は
もはや固有の色味(色相)を
感じることはできません。
 

最も鮮やかな虹色の純色を
最高彩度として、

他の色との混色の割合の高いと
彩度の低い色という表現になります。
 

また、
完全に色味(色相)の消えた
黒色には彩度はありません。

白・灰色・黒の3色はどれも
色味(色相)を持たないため
無彩色という分類になります。
 

この3色以外のあらゆる色は
有彩色といいます。
 

【有彩色と色の種類】③明度


全ての色には
『明度』というものがあります。

 

たとえば、
基本の赤色として

虹の中でみられる『純色』の赤色を
取り上げてみます。
 

純色の赤は最高彩度の色なので
赤色の中でも最も鮮やかで
鮮明な赤ですが、

そんな鮮やかな赤色のポスターも
光によって見え方は変わります。
 

明るい光の下でみた赤は
純色のままの赤でも、

影の下でみると
暗くなったりします。
 

さらに人工的な強い光の下では
色飛びして白っぽくみえるかもしれません。
 

この明暗の変化を『明度』といいます。
 

これを混色として考えると、

を混ぜて色が暗く鈍くすると
明度が低くなったといい、

を混ぜてぼやけた色にすると
明度が高くなったといいます。
 

無彩色の白・灰色・黒は
純粋な明暗の変化で表現できる色で、

白が最高の明度を持った色です。
 

明度が最も低い色は黒です。
 

その他の色(色相)にも
実は固有の明度というものがあります。

色の明度は
光の反射率(吸収率)に関係しています。
 

純色といわれる赤、黄、青などの
鮮やかな色相においても
それぞれ光の反射率が異なり、

黄色は太陽光(白色光)の反射率が高く
明度の高い色と言うことができます。

 

黄色に比べて赤や青の反射率は低く、
黄色に比べると明度は低くなります。
 

最も反射率の高い色は白で
白色光を(理論的には)全てそのまま反射します。

最も反射率が低い色は黒で
白色光を(理論的には)全て吸収して反射する光はありません。
 

そのため、
黒色からは光を感じることができないため
私達の目には何も見えなくなります。

これが黒の状態です。

【色彩科学】黒く濁らない混色のコツ。~減法混色と三原色~

 

【有彩色と色の種類】実践編《色の三属性の活かした美しい色の塗り方》


ここまで
色の様々な特徴について
見てきました。

このように体系的に
色の特徴が研究されていると思うと

色というのは思った以上に
奥の深いものだということが
少しずつわかってきますね。
 

ここでは
もう少し実際的な活用法を
考えてみたいと思います。

水彩画を描く際に
それぞれの絵の具の色の特徴を
どのように
活かしていけばよいのでしょうか。

 

絵の具の色というのは
混ぜれば混ぜるほど
色は暗く濁ってしまうものです。
 

特に透明水彩では
絵の具の透明度がとても高いので

下に塗った色と
後から塗り重ねた色とが重なって

塗れば塗るほど色の層や
混ぜ合わさる色が増えていき

作品が出来上がったときにはじめて
最終的な絵の明るさ(明度)、
鮮やかさ(彩度)というものが決まります。

 

異なる色を足すということ、
異なる色を重ねるということ、

それ自体がすでに
色の明るさや鮮やかさを失うということと
直結しているということは
大切な教訓ではないでしょうか。

【色彩科学】黒く濁らない混色のコツ。~減法混色と三原色~

絵全体の透明感や美しさは
使う絵の具の「明度」や「彩度」
だけの問題ではなく、

配色の仕方や構図によっても異なります。
 

ここでは
まずは色だけに注目して

透明感あふれる美しく魅力的な色を
画面で最大限ひきだすような
色の塗り方を追求してみたいと思います。
 

実は
最初に塗る色を選んだ時点で
これ以上は明るくならない
これ以上は鮮やかにならないという
絵全体の印象が決まってしまいます。

それは
色自体に固有の明るさや
鮮やかさがあるからです。

 

色相の中で最も明るく鮮やかな色は
黄色です。

つまり
黄色に近い色を塗っている限りは
いくら塗り重ねても

それほど暗くなったり濁ったりしない
ということです。
 

絵の具から出したばかりの色は
比較的混ざり気が少ないように
鮮やかな色で作られています。

自分で混色するよりも
その色を絵の具で用意した方が

鮮やかさを感じることが多いと思います。
 

そこに何か1色でも混ぜれば
色の純度(彩度)は下がり
鮮やかさは失われていきます。

ただ
近い系統の色味(色相)を
少しずつ混色していく範囲では
急激に濁ったりはしません。

 

また、
異なる色が混ざることによって
複数の色が光を吸収し

透過する光の量が減っていくことで
色の明度(明るさ)も下がっていきます。
 

水彩画の場合、
絵の具を溶かす水の量を多くすることで
色を薄くすることができますから、

絵の具が薄くなれば光は透過しやすくなり
より明るい色にすることが出来ます。
 

水彩では明るさ(明度)は
調整しやすいことが分かります。

 

つまり、
気を付けなくてはならないのは
色の鮮やかさ、鮮明さの
「彩度」の方ということになります。

大きく色味(色相)の異なる色を
混ぜる(あるいは重ねる)と

明るさ(明度)も鮮やかさ(彩度)も
あっという間に低くなりますので、

暗く落ち着いた色味
(明度と彩度がともに低い色相)
にしたいときは

最後の最後まで取っておくのが
得策かと思います。
 

具体的には、
制作の前半はなるべく明るく鮮やかな色相で
全体の配色のバランスをつくるようにして
塗っていき、

それが終わってから、
絵全体の配色にリズムをつけるようにして
必要なところだけに
少しだけ違った色味を加えたり
同系色の色を塗り重ねていくことで
徐々に暗さや落ち着きのある色相にしていきます。
 

そして最後の最後に
大きく色相の異なる色や濃い色、
暗くて鈍い色などイメージに近い色で
絵全体のメリハリや立体感などを整えていく
というのが失敗しにくい塗り方の順番となります。
 

明るく鮮やかな色というのは
目につきやすい
ので、

絵の中で注目してもらいたい
主役となる部分やモチーフには

明るく鮮やかな色を活かすことが
ポイントになります。
 

見せたいところほど
できるだけ色を重ねずに
できるだけ手数を少なく仕上げるのが
コツです。

【果物の水彩画】真っ赤な柘榴(ザクロ)と色彩科学のお話

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【有彩色と色の種類】色の三属性 -《まとめ》

  • 色の3属性とは『色相』(色味のこと)、『彩度』(混じり気のない色味の純度のこと)、『明度』(色味が固有に持つ光の反射率のこと) です。
  • 色相と彩度のない(色味のない)白・灰・黒の3色無彩色と呼ばれ、明度で分類されます。白は最高明度の色で、最も明度が低い色が黒です。
  • 無彩色以外の色は有彩色です。色によって固有の明度を持ち、比較的明度が高い色が黄色です。虹の中にみられる一連の色相は最も彩度の高く純色と呼ばれ、混色するほど彩度は下がります。

 

NORi
色の三属性などと聞くと
なんだか難しそうで

なかなか勉強しようという気が
起こりませんでしたが、
 

色々な絵を描いていくと
色への興味がしだいに深まって

少しずつ勉強も進んでいきました。