画家になるには|自分らしく個展をひらく《全工程11ステップ》


NORi
こんにちは、NORi です。

今回のテーマは『個展の準備』です。

NORi
作品が増えてくると

いつか個展を開いてみたいな

という気持ちが芽生えてくる方も
きっと多いのではないでしょうか。
 

グループ展や展覧会の出品とは異なり
自分で個展を開くとなると
少し緊張してしまうかもしれません。

NORi
そこで今回は、

個展を開く方法について
ひととおりの作業

をご紹介してみようと思います。
 

どのような作業を
どのように進めていけばいいか

全体像をイメージすることで

多くの方に楽しんでもらえるような
素敵な個展が開けますように!

【透明水彩の塗り方動画】絵の具の塗り方・技法・スケッチ

【絵を習うには?】水彩絵画教室を選ぶための5つのポイント

 

画家になるには|作品を把握する


個展の準備として最初のステップが
自分の作品を把握することです。

作品の数によって
個展会場の大きさも変わります。
 

まずは
今ある全ての絵を引っ張り出して
実際に並べてみます。

今すぐ出品できる作品が何点あるか
改めてチェックしてみると安心です。
 

久しぶりに見る絵も
あるかもしれませんね。

その中で
『今の自分が見ても
なかなか良い出来ではないかな』

と思える作品だけを選んでおくと

安心できる個展につながります。
 

全部の絵を並べた時に
技術的な面で大きく劣っている
と感じる作品があった場合は

外しておく方が無難です。
 

この最初のステップで
今ある作品のうち

個展に出品できる絵の数
がみえてきます。
 

画家になるには|会場を考える

個展の様子 by NORi

個展に出品できる作品数から
会場について考えていきたいと思います。
 

まずは
会場の大きさです。

これは壁面の長さで
把握することができます。

 

作品数と
それぞれの絵のサイズ(横幅)を
全部足し合わせると

飾るのに必要な壁の長さが
おおまかに分かります。

実際には
絵と絵の間には適切な空間も必要です。
 

これは実際に会場に並べてみないと
『適切かどうか』は分からない部分
ではありますが

だいたいの雰囲気は
次のような計算でも割り出せます。

 

たとえば
個展に出品できる作品が
以下の15点あったとします。

  • 30号が3点
  • 10号が5点
  • 6号が3点
  • 3号が4点

 

このような場合には

30号(額装して横幅が約110cm)×3点

+30号の作品の両側に10cmのスペース
(30号が並ぶと20cmのスペースになります)

=(110×3)+(10×3×2)

=330+60

=390cm
 

30号の作品を3点並べるだけでも
4mほど壁面が必要かなと想像できます。

同様にして
他の作品についても計算します。
 

10号(額装して横幅が約65cm)×5点

+10号の作品の両側に7cmのスペース

=(65×5)+(7×5×2)

=325+70

=395cm
 

6号(額装して横幅が約50cm)×3点

+6号の作品の両側に5cmのスペース

=(50×3)+(5×3×2)

=150+30

=180cm
 

3号(額装して横幅が約35cm)×4点

+3号の作品の両側に4cmのスペース

=(35×4)+(4×4×2)

=140+32

=172cm
 

合計すると

390+395+180+172

=1137cm

11m37cm
 

つまり
上記の15点の作品を飾るには

壁面が12m以上の会場
を選ぶ必要がありそうです。

 

もちろん
2段にして飾れば
もう少し小さな会場でも
対応できますね。
 

会場の大きさが
おおまかに把握できたところで、

次はどこで個展を開くのがよいか
場所について考えてみたいと思います。

 

個展会場はどのような場所を
選べば良いでしょうか。

  • アクセスの良い会場
  • 人の集まる会場
  • 雰囲気の良い会場

他にも色々と
思いつくかもしれませんね。
 

ここで大切なのは

今回の個展で
どのような方に絵を見に来て頂きたいか

ということです。
 

例えば
はじめての個展でしたら
親友や親戚、
親しい知人や恩師などでしょうか。

せっかくですから
ご近所の方にも気軽に
見て頂けると良いですよね。
 

そのような場合には
近くの公民館市民ギャラリー
といった

普段から人が集まる場所を選ぶのも
おすすめです。
 

そういった場所では
どなたかの個展が開催されているのを
ご覧になれるかもしれません。

事前に足を運んで
様子を見てから検討するのも一つです。
 

多くの方が訪れる場所なので
はじめて個展をされる方でも
挑戦しやすいかもしれません。

個展をすることを
事前にお知らせできる人が
あまりいない場合には

まずはこうした
人が集まる場所
あるいは人が集まる時期に
個展を開催されると

多くの方の反応が見れて
良い経験になると思います。
 

その分
人気も高い場所ですので
2年くらい待つこともあります。

早めに一度相談すると良いですね。

公共の施設では
絵の販売は禁止されている場合が多いので

そのあたりも確認しておくことを
おすすめいたします。
 

また
近所のカフェギャラリー
での開催を検討されるのも一つです。

壁面に絵を飾らせていただける
喫茶店ですね。
 

個展を開くとなると
会場の打ち合わせや当日の接客、
搬入・搬出などで

会場には何度も通うことになります。
 

ですので
家から近いと楽です。

また
会場が近くの喫茶店であれば
ご近所さんにも見に来てくださいと
お声がけしやすいですね。
 

喫茶店ですから
お食事やティータイムを
楽しんで頂きながら

ゆったりと
絵を見てもらうことが出来ます。
 

まずはお客さんとして
一度はお店に伺ってみて

自分が個展をしたい環境かどうかを
自分の目で確認しておくことは必要です。
 

私が初めて個展を開いたのは
カフェギャラリーでした。

そのときの様子は
こちらの後半でご紹介しています。

NORi の水彩画|女性の視線を描く ~親子展 Mother & Daughter の誕生~

 

個展の開催に慣れた方の中には

今回の個展は少し盛大にやりたい
と思われている方もいらっしゃる
かもしれません。

これまでお声がけできなかった
遠方の知人にも
今回の個展にはぜひ見に来てもらいたい
という場合です。
 

そんな場合には
アクセスの良い貸画廊(貸ギャラリー)
を選ぶとお誘いしやすくなります。

例えば
都心の会場であったり

東京駅からのアクセスが簡単だったり
最寄りの駅から歩いて行ける会場

といった条件を揃えられると
安心して来て頂けそうですね。
 

この辺りの具体的なお話は
後ほどご紹介します。

 
以上のように

一言で『会場を考える』と言っても
自分の目的に合った個展とは
どういうものか

ということを
イメージしておくことは大切ですね。
 

画家になるには|4つの予算を確認


個展を開く際に
把握しておきたい大切な費用は
次の4つかなと思います。

  1. 額装費
  2. 会場費
  3. 搬出・搬入費
  4. 案内状の作成・送付費

 

まずは額装についてです。

絵の雰囲気や考え方によって
人それぞれかと思いますが、

水彩画においては額装までが作品
と捉える方が無難かと思います。
 

わたしは必ず個展の前に
全ての作品に額装します。

落下防止のための軽量化と
割れた際の危険を回避するために

最近では
ガラス板はアクリル板に変えるのが
スタンダードとなっていると思います。
 

わたしも額装の際には
アクリル板に変えて額装するように
お願いしています。

ひとつひとつ作品に合った額装を
施すためにも

しっかりと予算と時間配分に
余裕を持っておくことが大切ですね。
 

作品が個展のクオリティを決めます。
 

次は会場費についてです。

上記のステップで
この辺りがいいかなという会場に
目星をつけたら

ホームページを調べたり
問い合わせをして
会場費などを確認します。
 

カフェギャラリーの場合は
展示費用の記載がない場合も
多いので、

電話で尋ねたり、
お話を伺えそうな時間帯を
伺っておいて

直接お話を
聞きに行ったりすることになります。
 

会場の広さや予算だけでなく
準備のための時間も必要なので

慌ててすぐに決めずに
1年後の開催を目処に
できるかどうかを考えていく

というくらいの感じで
全体像を把握するところから始めると
安心して進められると思います。
 

会場が決まったら
搬出・搬入について考えます。

だいたい個展前日
あるいは
初日の午前中などに

絵の搬入をしてください
と会場から指定されることになるかと
思います。
 

近くのカフェギャラリーならば
車に絵を積んで
自分で搬入できるかもしれませんが、

少し離れた会場だったり
大きな作品などがあったりして
自分で運び入れることが難しい場合には

業者さんに頼むことになります。
 

よくわからないときは
いつも額装を頼んだりしている額縁屋さんや
良く行く画材店に相談してみると

価格のことも含めて
色々な情報を教えてくれると思います。
 

また、
搬入時に会場の壁面に
絵を飾ってくださるところまで
お願いできる場合もあります(有料)。

あらかじめ
自分で会場レイアウトは作っておいて

それに沿って飾り付けをお願いすることも
出来ますが、

飾り付けを手伝いながら
実際の会場の雰囲気を見ながら
プロの意見を聞いてみるのも
大変勉強になります。
 

ライティングなどの調整は
自分でやるのは難しい場合もあるので

そのような時は
お願いするのが良いです。

素晴らしい会場にしてくださいます。
 

最後に
案内状の作成・送付費についてです。

個展の準備の中で
絵の制作の次に大切なのは
案内状の準備かもしれません。
 

案内状によって
来場者数が大きく変わることもあります。

1年前から準備して
素敵な個展にするのですから、

できれば多くの方に
楽しんで頂きたいですよね。
 

案内状を送付する人数を把握するために
名簿の整理か必要です。

はじめての個展では
案内状を出せる方も限られているので

人が集まる公民館や
カフェギャラリーなどを利用して
開催するのがおすすめです。
 

全く知らない方に絵を見て頂ける
貴重な機会になると思います。

このような場所で個展を重ねると
芳名帳には知らない名前が増えてきます。

このようなご縁を大切にして
芳名帳に名前を書いてくださった方には
次の個展で案内状を送らせていただきます。
 

芳名帳の人数に合わせて
案内状を用意するわけですが、

予算があれば
案内状は少し多めに印刷しておくと
安心です。
 

ご近所の他のお店や
近くの画材屋さんなどに
案内状を置かせていただくことができる
場合があります。

また、
個展会期中に入り口の芳名帳の横にでも
『ご自由にどうぞ』と
案内状を置いておくと、

通りがかりの方にも案内状を記念に
持って帰っていただけます。
 

後日
お友達を連れて
来て下さることもあります。
 

画家になるには|作品を揃える


①のステップで
個展に出せる作品の数を把握しましたが、

あまり少ないと
少し寂しい印象になってしまいます。

 

適切な作品数というのは
あるのでしょうか?

どこの会場でも
出品数の決まりは普通ありませんが

見に来てくださる方に楽しんで頂くには

20点は用意しておきたい
と個人的には思います。

 

貴重な時間を割いて
絵を見に来てくださる方々に

少しでも楽しんで頂けるよう、

ある程度
見応えを感じていただけるような
ボリューム感のある個展を
目指したいと思っています。
 

会場が小さければ
小さな作品を多くしたりして

20点は飾れるように
工夫するようになりました。
 

会場を先に決める場合もありますが
そのような時は
事前にその会場の壁面の長さを測って

そこに20点の作品を飾るには
どのくらいの大きさの絵を
何点揃えたらいいかを考えます。
 

それに合わせて
個展のための作品を制作するのです。

もちろん間に合う時期を
余裕を持って考えて
個展の日程を決めます。
 

制作が間に合いそうになければ
無理に個展は開かないようにしています。

自分の制作ペースを把握しておくと
良いですね。

 

画家になるには|開催日を決める


個展を開くためには
当日までにきちんとした作品を揃えることが
大前提ですが、

それ以外にも
実際の会場に作品をどのように飾るか
といった会場レイアウトを考えたり、
 

来て頂きたい方々に
適切なタイミングで案内状を送付するには
何ヶ月前から準備すればよいのか、

会場との打ち合わせはどのくらい
かかるものなのか、
 

搬入・搬出はどうするか、
などなど

さまざまな下調べが必要です。
 

そのため
慣れや会場の手続きの仕方にもよりますが、

個展の準備には
1年~1年半くらいは余裕を持っておくのが
安心かなと思います。
 

人気の会場ですと
2年待ちという場合もありますので、

開催したい時期が決まっている場合には
1年半〜2年くらい余裕をもって
会場に相談をすると良いです。

 

開催時期は
来ていただきたい方々が
来やすい季節を選ぶことも大切です。

暑すぎたり寒すぎたり
移動が心配になるような時期は
極力避ける方がよいですね。

すこし具体的なお話を
してみようと思います。
 

■ 絵画ファンで賑わう、有楽町・交通会館!

個展の様子 by NORi

私が初めて個展を開いたのは
カフェギャラリーでした。

NORi の水彩画|女性の視線を描く ~親子展 Mother & Daughter の誕生~

その 2年後の秋、
個展に来てくださっていた知人から
素敵なお誘いが舞い込んできました。

『都心のギャラリーで
親子展はいかがですか?』
 

場所は
有楽町駅前の交通会館というビル。

中にはいくつもギャラリー会場があり、
毎週、新しい展示会が開催されるため、

多くの絵画ファンで賑わう場所だと聞きました。
 

誘っていただいた会場は、
シルバーサロン C というお部屋でした。

早速、交通会館のホームページを見てみました。
KOUTSUKAIKAN|交通会館 HP
 

交通会館は 15F まであり

ギャラリー会場だけでなく、
オフィスや展示場などの入った
複合商業施設でした。
 

いくつかのギャラリー会場が
2F、1F、B1F に点在し、

シルバーサロン C は B1F です。
 

さらに
シルバーサロン C の会場案内を調べると

壁面は 19m であることが分かりました。
KOUTSUKAIKAN|交通会館 画廊

私達の場合、
2人で 30点ほどの作品が飾れるかな
といった感じです。
 

母と私の絵は、
平均して10号くらい(横幅が約 50cm)
の大きさで、

それを額装して、
さらに絵と絵の間に適当な間隔をとると、

だいたい 30点くらいは飾れるかな
という計算になりました。
 

このとき知人に言われた
開催予定の日程は2年後の秋でした。

準備期間は 2年。
新しい作品に取り組む時間は十分あります。

-「やってみようか。」

母と私は気持ちを固め、
2年後に交通会館で
第2回親子展を開くことを決めました。
 

数日後、私は母と一緒に
交通会館に実際に行ってみることにしました。

親子展のための会場利用申込みをする前に
会場の様子を確認しておきたいと思いました。
 

JR有楽町駅の中央口を出ると、
目の前に高くそびえるビルが見えました。

交通会館です。

交通会館の中にあるギャラリーは
どこも自由に出入りができて、

多くの絵画ファンで賑わっていました。
 

どの会場もガラス張りになっていて、
ギャラリの外からも
中の様子を眺めることができました。

個展はもちろん、
グループ展や企画展など、様々です。

とても開放的な明るい雰囲気でした。
 

そして
私達の親子展会場となる、
シルバーサロン C に到着しました。

間口は狭く
かなり奥行きのある印象です。
 

その日は
熟年のご夫婦による
油絵と和服の二人展が開かれていました。

限られたスペースの中で
上手にディスプレイされていて
素晴らしいと思いました。
 

小さな油絵に重厚感のある額装が
丁寧に施されています。

和服もしっかりした生地の
モダンなデザインです。
 

ご夫婦のそれぞれの作品には
美しい手書きのキャプションカード
が添えられていて、

そのご夫婦が醸し出す
温かみのある雰囲気が感じられました。
 

個展というのは、
会場の大きさや
作品自体の印象だけでなく、

あらゆるところに
主催者の想いが表れるものなのだな
と感じました。
 

私達の親子展では、
どのような工夫ができるだろう?

そんな思いにワクワクしながら
他の展示会場も見学して帰ってきました。
 

■ 個展の申し込み手続きへ


数日後、覚悟を決めて
親子展の申し込みをすることにしました。

事前に電話でお会いできる時間を伺い、
予約を入れて、
会場担当の方に会いに行きました。
 

交通会館は大変人気があり
新規申込みの場合、

会場と会期を確保するまでに
最低でも 1年は待つことが多いのだそうです。
 

担当者の方から、
会場の利用案内、
設備・備品の内容説明、

個展の当日までにやることなど
を教えていただきました。
 

交通会館を利用するのが初めての私達にも
よく分かるように、

ゆっくりとした口調で
丁寧に話を進めてくださいました。
 

担当の方の素晴らしい対応に、
心から安心感をおぼえました。

その日は
会場費用の一部として前金を支払い
申し込み手続きが完了です。

 

2年後の親子展に向けて、
交通会館へ提出する書類は 2つでした。

  1. 会場使用申込書(決定次第提出)
  2. 企画名、企画の内容、
    代表者の略歴などを記入して提出。
    交通会館での広報に利用されます。

  3. 貸出備品明細書( 10日前までに提出 )
  4. 会場に設置する
    テーブルや椅子、テーブルクロスの数(あるいは必要
    の有無)、絵を飾る吊り金具の数などを記入して提出。
    当日の会場に準備しておいてもらえます。

 

①会場使用申込書 (決定次第提出)

会場使用申込書は
展示内容などが決定したら

なるべく早く提出してください
と言われたので、
次の日に書いて提出しました。
 

会場使用申込書には、
企画名として『第 2回親子展』と書き、

企画の内容は『絵画の展示』、
代表者に母の名前と略歴を記入。
 

すぐにスキャナーで書類を保存し、
メールで送信しました。
 

②貸出備品明細書 ( 10日前までに提出 )

貸出備品明細書は
最終的に飾る絵の数や、配置、
会場内の机や椅子のレイアウトなど

具体的にイメージが決まらないと
提出できないものです。
 

なので、
提出も個展の 10日前までです。

1年前になってから
少しずつ会場をどのようにするか
具体的に考え始めることにして、
 

最初の 1年は新作を描き上げることに
集中することにしました。

 

このような感じで
会場スタッフの方と打ち合わせを通して
個展開催日が決まり、

本格的に準備がスタートしました。
 

画家になるには|年間予定を立てる


個展開催日が決まると
一気に見通しが立ってきます。

何日までにどの書類を提出するのか
(あるいは何も必要ないのか)

案内状をいつごろまでに発送するか
など

具体的に決めていけるようになります。
 

どんな個展にしたいのかを
ゆっくりイメージを固めていくように

当日までにやりたいなと思うことを
細かく洗い出しながら

そのために必要なことなども
さらに細かくメモに残していきます。
 

無理のないペース配分で進められるように
自分でスケジュールを立て
調整しながら準備を進めていくことになります。

やはり1年前くらいから
このような見通しがついていると
余裕をもって準備が進められるかなと思います。

 

カフェギャラリーの場合は
直前の搬入の相談くらいで
特に制限がない場合もあります。

その場合も
こちらから適切なタイミングで
途中経過を報告しておくと
良いと思います。
 

会場のオーナーさんの様子に合わせて
コミュニケーションをうまくとりながら
準備をすすめていけるといいですね。

専門的なことで
分からないことや心配なことがあったら

いつも額装をして頂く画材屋さんに
尋ねてみるのもいいですね。
 

画材屋さんの中には
個展の搬入・搬出や
会場の絵の飾り付けなどを
お仕事にされている場合も多いので
色々と教えてくださると思います。

例えば
キャプションを貼る方法は
壁面の素材を傷つけないためにも

どのようにしたらいいか
前もって会場の様子を
確認しておくと良いです。
 

また
案内状の下書きが出来たら

会場の名前の入れ方など大丈夫がどうかを
念のため会場スタッフに確認をとってから
印刷することをおすすめします。
 

カフェギャラリーでも
貸ギャラリーでも

案内状をはじめとして
諸々の内容を

下書き(計画)の段階で
こまめにチェックをして頂くと
トラブルを回避できます。

 

画家になるには|会場レイアウトを作る


会場レイアウトというのは
絵の配置のことです。

どの絵をどこに飾るかを決めていきます。
 

来て頂く方々が退屈しないような
魅力的な会場を考えたいところです。

会場で最初に目に入る絵は
個展の印象を決めます。

 

自信作をそろえた作品の中でも

案内状に載せる自信の作品は
入り口付近に飾ることをお勧めします。
 

個展に来てくださる方は
案内状の絵を見ています。

会場ですぐに
見慣れた案内状の絵が飾られていたら

『あっ、この絵は案内状の絵だ』

と目がいきますね。
 

原画の素晴らしさを目にできたら
それだけて来て良かった
と思って頂けます。

きっとゆっくり
個展を楽しんでいただけることでしょう。
 

会場の外側に
ショーウィンドウがあれば

そこに案内状に載せた絵を飾ることで
来場者にここか会場ですと伝える
目印にもなります。

もちろん
宣伝効果も抜群です。
 

通りがかりの方にも
絵の迫力が伝わります。
 

このように会場レイアウトは

中盤と直前にも
会場レイアウトを練り直しながら
最終的なレイアウトを作り上げていくと
かなり見応えのある個展になると思います。
 

画家になるには|案内状を作る


どんなふうに
案内状を準備すればいいでしょうか。

例えば、

  • 興味を持ってもらえるような魅力的な案内状
  • 会期やアクセスなどがハッキリ分かる案内状
  • 予定を合わせやすい時期に届く案内状

といったポイントは抑えたいですね。
 

まずは
いつから準備を始めるか?

ということについて考えてみようと思います。

案内ハガキが届くのは
いつ頃がいいと思いますか?
 

『 案内ハガキを発送するのは、
いつ頃がベストタイミングだろう?』

実はこれは私自身
何度も自問自答を繰り返したテーマの1つです。
 

これまで色々と観察してみたところ
少し驚いたのですが

スケジュールの立て方は
人によって結構違う、

ということが分かりました。
 

あまり早く届いても・・・。
あまり遅く届いても・・・。

・・・色々と考えた結果、

個人的には
個展の1か月前あたりに
発送するのがベストかな、
という考えで今は落ち着いています。

 

そこから逆算して、

3か月前あたりから
案内ハガキの【作成準備】を始めます。

まず最初とりかかるのは
ハガキに載せる絵の撮影です。

 

お天気の良い日を選んで
作品の写真撮影をして、

場合によっては
画像を綺麗にトリミングして
レイアウトを考えていきます。
 

そして、
2か月前には案内ハガキを【印刷】します。

宛名の記載などもありますので、
余裕を持って時間を確保しています。
 

個展の案内ハガキは、
過去の芳名帳を元に発送します。

芳名帳を眺めていると、
来て頂いた方の顔が浮かび、

その時の個展の様子などが
懐かしく蘇ります。
 

はじめて個展をされる場合は
年賀状の名簿から
お声がけする方を選ぶと良いですね。
 

たまたま個展に来られた方で
ご興味を持って下さった方には

芳名帳にぜひご記帳頂けるように
お声がけすると良いですね。

次の個展で案内状を
お届けすることができます。
 

ここからは
より具体的な作業を
ご紹介してみようと思います。

 

■ 個展3か月前

個展の3カ月前になると
案内ハガキの準備を始めます。

出品する作品の中から
これは、という作品を選んで
撮影します。
 

やはり
案内状が映えるような
自信のある作品を選びたいところです。

 

撮影するときは
額装している場合は額を外します

ガラス板(あるいはアクリル板)
による反射光を無くすためです。
 

余計な光や影が
絵の上に写り込まないような
広い場所に絵を置きます

それから
絵の近くに真っ白い紙を置いて、

作品とその白い紙が
一枚の写真に入るように撮影します

 

これは
画像の色補正ができるように
しておくためです。

 

透明水彩画は
特に白が命です。

絵の中にある白の色が
透明感を引き出す
重要な役割を担っています。
 

そのため
印刷されたときに、

絵の『 白い部分 』が
きちんと再現できていることが
とても大切になってきます。
 

これが出来ているのと
出来ていないのとでは

印刷された絵の印象が
全く違ってきてしまうのです。
 

例えば
撮影した日時の天候や
照明の明かりの種類も

絵の『白』さに
影響を与えます。
 

案内ハガキの絵が
実際の絵の色と同じ色になるように
撮影条件が与えた影響を取り除くのが
色補正です。

綺麗な写真が撮れたら
次は

案内ハガキのレイアウト作りです。
 

メインの絵を大きく中央に
一枚だけ載せる案内ハガキは
インパクトがあって、印象的です。

また、
複数の作品を織り交ぜて、

個展の雰囲気が
想像できるような案内ハガキも
楽しいです。
 

いくつかの作品を織り交ぜる場合

それぞれの絵の個性が
映えるような配置がいいですね。

一つ一つの作品の見どころを
トリミングして、

ズームアップして配置するのも
魅力的です。
 

浮かんだアイディアを
一つずつ試していって

テスト印刷をしてみると
良さそうなレイアウトは
数点に絞れていきます。
 

私は身近な人から
意見をよく聞くのですが、

『綺麗』とか
『好き』とか
『見やすい』とか、

そういうものは
一瞬で決まるものだと感じました。
 

できるだけ多くの方に
楽しんで頂けるような案内はがきを
お届けしたいですね。
 

■ 一番大切な情報


案内状には大切な役割がありますね。

つまり、
招待状の役割です。
 

招待状としての案内状で
一番大切な情報とは何でしょうか。
 

来て下さる方は
当日、
案内ハガキを片手にしっかり持って、

会場までお越しくださるのです。
 

その姿を思い出すと、

無事にご案内できる案内状を
作らなければと思います。
 

私が良く使うレイアウトとしては

個展の日時や会場の案内を
宛名面の下半分に集約させる
ことが多いのですが、

場所が狭いので、
工夫が必要なところです。
 

休館日の記述を目立たせたり、
歩いてどれくらいの場所にあるのか等、

出来るだけ役立つ情報が
分かりやすく伝わるように
心がけています。
 

そして
一番気を付けているのが
字の大きさ、読みやすさです。

だいたいのレイアウトが整うと、
母や家族にチェックをしてもらいます。
 

『読みにくい』というなら、
『読みにくい』のであり、

『見えにくい』というなら
『見にくい』のだと思います。
 

作り手と読み手では、
見る視点が違うなぁと

とても勉強になります。
 

また
ハガキの一番下かどこかに、
いつも少しの空白を取っています。

案内ハガキの印刷が終わって、
宛名書きをする時に、

知り合いへ一言、
手書きで添え書きをするためです。

 

■ 大量発送にはこれを!

郵便局HPより

料金別納のマークというのをご存知ですか?
 

大量に同じ郵便物を発送する時、

切手を貼る位置に
料金別納のマークをつけると
大変便利です。

これは自分で作成することが可能です。
 

ポストに投函せずに

郵便局へ持って行って
まとめて料金を支払うことで
切手を貼らずに送る事ができます。

 

10枚以上で利用できます。

私は
案内ハガキのレイアウトを考えるとき、

表面(宛名面)にあらかじめ
この料金別納のマークを印刷するように
しています。
 

もう一つ、
発送者情報も大切です。

送り主(自分)の住所・氏名も
忘れずに必ず書きます。

 

宛先の住所がもう使われていない場合
案内ハガキが戻ってくる
ということがあるからです。

宛先の住所が使われていないことを
確認できれれば
名簿を修正することもできます。
 

次回から
間違ってまた送ってしまうということを
防止できますね。
 

料金別納扱いでハガキを発送する場合には、
以下の3つのポイントが揃っていることが必要です。

  1. 料金別納マーク
  2. 送信者の住所・氏名
  3. はがきの宛名面上部に「郵便はがき」あるいは「POST CARD」の文字

 

これで
案内ハガキのレイアウト完成です。
 

■ ハガキ印刷の依頼


案内状の両面のレイアウトができたら
いよいよ印刷です。

ここで考えたいのが
自分で印刷するのではなく、

業者さんに頼む方法
です。
 

それは何よりも
心のゆとりのためです。

 

発送する案内ハガキの枚数が
数百枚にもなってくると

自宅のプリンターのご機嫌を見ながら
つきっきりで自分で印刷するよりも

業者さんにお願いする方が
気が楽になることも多いですね。
 

個展の準備は
ほかにも色々とありますので

案内ハガキの印刷だけでも
どこかにお願いできれば、

精神的にも時間的にもかなり助かります。
 

業者さんに印刷をお願いする場合は、
画像データさえあればOKですので、

案内ハガキの裏・表、
2つのレイアウト画像を

ハガキサイズより大きいサイズの画像
として保存して
USBに入れて持って行きます。
 

ネットで完結する
発注スタイルもありますが、

私はお店に行って
直接話をすることにしています。
 

なぜならば
案内ハガキに使う紙を
実際に見るためです。

サンプルを送って頂ける場合もあります。
 

紙の色は大切です。

色補正をした画像を綺麗に印刷するには
紙の白さが重要です。

なるべく白い紙を選ぶために
実際に見に行くことにしています。

 

また
適度に厚みのある紙を選ぶと
さらに仕上がりの美しさに安定感がでます。

特に
雨の日の配達の可能性が高い季節には、

湿気や水滴で
紙が曲がってしまうことを避けるために

なるべく厚めの紙を選ぶようにしています。
 

発注する枚数や
忙しい時期かどうかにもよりますが、

出来上がりには
2週間くらいはかかることを見込んで
発注しています。
 

出来上がったら
自宅へ送って頂くサービスがあると
大変ありがたいですね。
 

小さな個展の時から
このような試みを始めて

安心して頼める業者さんや
紙の白さや厚さの目星をつけておくと

少し大きな個展に
挑戦するときにも安心です。
 

画家になるには|個展を考える


会場によっては

作品さえ飾れれば
準備完了かもしれませんが、

せっかくの個展なので

『絵を見るだけ』で終わらせない工夫も
あるといいのではないかなと思います。

 

自分の個展をつくる
イメージで

出来る範囲で色々と工夫することは
できそうです。
 

例えば

会場の外に大きめのポスターを貼るのは
とても効果的です。

実際に、

『ポスターの絵が素晴らしくて
見にきました。』

『ポスターで見た絵に一目惚れして
ぜひ絵を買いたいです。』

ということがあるのです。
 

嘘のような本当のお話です。

ということは
ポスターの命は第一印象ですね。
 

一目惚れされるくらいの
迫力が必要です。

人通りの多い場所や
人が集まる場所の近くに
ポスター持参でお願いして回り、

出来るだけ多くの場所に
貼らせて頂けると
時にミラクルな出会いが起こります。
 

また、

会場内での工夫としては

芳名帳とペンを入り口に用意したり
プロフィールや挨拶文を貼っておいたり、

絵の横に『タイトル』や『価格』などを
記したキャプションカードを貼ったり、

絵はがきセットを用意することも
できますね。
 

このあたりは多くの方がやられている
準備でもありますが、

ほかにも
在廊する日時をあらかじめ
案内状に記して
おいたり、

ギャラリートークのような
ちょっとしたイベントを企画したりと

案内状であらかじめ
上手にお知らせしておくと

当日の個展は
より意義深いものになるかもしれません。
 

貸ギャラリーでしたら

ちょっとした飲み物やお菓子
用意しておくのも喜ばれます。

会場によっては
オープニングパーティーを開くことも
できます。
 

夢は膨らみますが
全体の準備期間と予算の範囲内で

効果的な準備を優先して進めていくと
基本的な部分を疎かにせずに済みます。
 

■ ギャラリートーク


わたしは個展で
ギャラリートークを
企画したことがあります。

個展の準備はたいてい
一年以上前から始めるのですが、

個展も回数を重ね
少し余裕も出てきた頃、
 

準備をしている途中でふと
『 せっかく絵を観に来てくださるのだから、
その時間に何か、

楽しく過ごして頂けるようなイベントが
出来たら。。。』
と思い立ちました。
 

そこで、
オープニング・イベントとして

初日にギャラリートーク
を開催することを思いつきました。

案内ハガキには
初日13時~ギャラリートーク
(参加費無料)

と書いて発送しました。
 

ところが
前日になって

はっとしました。
 

ギャラリートークとは
一体何をするのか、

何について話すのか、

案内ハガキには
何も書いていなかったのです。

 

当日はドキドキしていましたが、

内容が一切不明にもかかわらず
ご興味をお寄せくださった方が

貴重なお休みの日にお時間を割いて
お集まり下さり、

本当に胸が張り裂けそうに
心から感謝の気持ちで
いっぱいになりました。
 

ギャラリートークでは
絵を普段描かれない方に向けて

ユーモアを踏まえて
楽しいお話をと考えました。
 

途中で
美味しいチョコレートを食べながら
ティータイムを挟み、

感性と理性に関する
ちょっとした絵のクイズなども
ご用意してみました。
 

絵を観に来ていただいた上に
一緒に楽しい時間を過ごすことができ、

周り方々が作り出す環境によって
自分も豊かな時間を体感できるのだなぁと

改めて深く実感した一日でした。
 

■ おまけの話


とはいえ、

想定外のことはいろいろと起こるもので
ちょっとしたハプニングもありました。
 

前日から少し
喉の調子がおかしい・・・
と薄々感じていたのですが、

当日は会場づくりで
業者さんとあれこれ話をしたり、

遠くで作業している母に
「これ、どうする~?」
などと
声を張り上げてやりとりしていたため、

午後から
ギャラリートークだというのに、
声が出なくなってきてしまったのです。

 

午前中の会場づくりの間、

交通会館の設備係の方が
何度も足を運んで

照明の調整や諸々の不具合が無いか
調整・点検をして下さっていました。
 

そんな中
みるみる声が出なくなっている
私の様子を見かねて
マイクとスピーカーを
用意してくださいました。

 

わたしは準備で手一杯でしたが、
気がつくと

マイクとスピーカーの配線コードは
電源までの間

テープで全て綺麗にカバーされ
固定されていました。
 

コードに引っかかって
つまずかないようにとの配慮でしょう。
 

会場スタッフの方の助けを頂き、

なんとか無事に
最後までお話をすることができました。

本当に有り難かったです。
 

一方で、
のど飴をなめたり、
水を飲んでなんとかしようとする
頼りない私の一部始終を眺めながら、

お集まりくださる方がいらっしゃる中で
ギャラリートークを中止するようなことに
なりはしないかと、

母が一番、
心配していたことでしょう。。。
 

反省しきりの
ハプニングでした(^_^;)
 

画家になるには|受付係をこなす


さて
せっかくの個展ですから

全期間に渡って在廊し
お客様とのコミュニケーションを
楽しみたいところですが、

個展で一番苦労するのが
受付係ではないでしょうか。

 

カフェギャラリーの場合は
受付係は必要ないので

事前に知り合いから連絡があった日だけ
行くということも出来ますが、

貸ギャラリーのほとんどは
必ず誰かが受付係をしなければなりません。
 

はじめて個展をひらく方にとっては

まずは
ご友人・知人にお声がけする
ということになるかと思いますが、

来てくれた時には
ぜひ在廊しておもてなしをして

感謝の気持ちを表したいですよね。
 

友人が
家族を誘って来てくれる場合もあり、

それはとても楽しいひと時です。
 

また
通りがかりで絵を見てくださり

『個展の案内が欲しい』

と言ってくださる方も
出てきたりします。

そんなときは
芳名帳に名前を記載していただき

次回の個展では案内状を
送らせて頂くようにします。
 

お客様に絵の説明をしたり

受付係をしたり

一人でやらなくてはいけないことが
多いので、

会期中は体力との戦いだったりします。
 

会期中はなるべく予定など入れずに
フリーな状態でいる方が安心です。

手伝ってくれる方がいると
大変助かりますね。
 

ここから実際の個展の様子を
ご紹介してみたいと思います。

前述した
交通会館での個展の記録です。
 

■ オープン前の姿



個展の様子 by NORi

この写真は
個展がオープンする

5 時間前の会場の様子です。
(エメラルドルームです)

ここから、会場をつくります。
 

まずは、
当日 9 時前に会場入りして、

あらかじめお願いしておいた
基本的な備品の確認をしました。
(会場内に準備してあります)
 

それから

こちらも事前に手配をしていた
絵の搬入業者さんをお迎えして

小さな作品から
大きな作品まで

全部で 56 点の飾り付けが
スタートです。
 

絵の飾りつけが終わったら、

作品の近くに
絵のタイトルなどを記した

キャプション・カードを貼りつけます。
 

それから
ギャラリートークのために

椅子や机の設置。
 

受付の場所を整えて、

お茶台の準備と、

来て頂いた方への
お礼状カードを並べたり。
 

そんな風にして
少しずつ会場をつくっています。
 

■ 搬入・搬出のプロの技!

個展の様子 by NORi

初日の絵の搬入は、

いつも同じ業者さんに
お願いすることにしています。

数日前に自宅に
絵を引き取りに来てくださいます。
 

搬入・搬出だけでなく、
絵の飾りつけもしてくださるので、

プロの飾りつけを
目の前で見れる絶好のチャンスと、

毎回とても楽しみにしています。
 

交通会館では
絵の搬入は個展当日の 9時~
と決まっています。

私達がお願いした業者さんは
交通会館での搬入の経験が豊富で

9時少し前には
絵を運んで会場の前にお一人で
スタンバイをしていらっしゃいます。
 

会場の鍵は
交通会館の守衛さんが開けます。

私は 9時に守衛室へ行き
守衛さんに鍵を開けて頂くように
お願いをします。
 

いよいよ搬入開始です。

会場に次々と絵が運び込まれ
開梱していきます。
 

まずは、
こちらであらかじめ考えてあった

会場レイアウト(絵の配置図)
に沿って絵を飾って頂きました。
 

実際に飾ってみると

場所を入れ替えた方が良い絵なども
出てきます。

それぞれの絵の
色味やサイズを見て

全体のバランスを考えた
配置の調整や入れ替えなどを

アドバイスしていただきながら
配置を変えていきます。
 

一つ一つの絵が孤立したり
主張し過ぎるのではなく、
会場全体の統一感を
感じられるようになっていきます。

飾り付ける絵の高さは、
天井の高さとのバランスや、

見る人の視点、
さらに私達の絵の雰囲気から、

少し低めに飾ることを
お勧めしてくださることもあります。
 

キャプションカードの位置も
アドバイスいただき、

ズレや傾きがないように
丁寧に張り付けます。
 

全ての作業が終わって
全体を見回すと

なんとも本格的な雰囲気が漂う
素敵な空間となっていて、

これがプロの仕事かぁ~!と、
いつもとても感激します。
 

■ 初日の開催時間について。

個展の様子 by NORi

このときの個展では、

発送した案内ハガキには
初日の開催時間を

13時と記載していました。
 

初日の午前中に
作品の搬入と飾りつけ、

その他、会場のセッティングなど
諸々の準備を全て行うためです。
 

搬入は 9時から始めて
2、3時間あれば準備は終わるかな、

という思いもありましたが、

初めての会場だったので
少し余裕を持って時間を確保しました。

 

搬入が始まり
次々に絵を飾りつけて

椅子やテーブルの設置。

それから
お昼ご飯を食べて
最終的な確認をしました。
 

実際には
12時過ぎには無事準備も終わり、

ひと段落つくことができました。

しかし実は、
助けて下さった方の
お力があったからこそ
間に合ったのでした。
 

そもそも今回の親子展は、
ある方のお誘いがあって初めて
実現したものだったのですが、

その方がなんと!

朝から準備のお手伝いに
駆けつけてくださったのです。
 

このときは
本当に感動しました。

はじめての会場で
緊張していた私にとって
経験者の助っ人は
とても心強いものでした。

 

その方は
雑用から何から

一緒になって
働いてくださいました。

さらに、
お昼ご飯の差し入れまで
用意してきてくださいました。
 

感謝と感動が重なり、

このとき頬張ったおにぎりの味は
本当に、本当に、
格別身に染みる美味しさでした。
 

また、同じく、
母の絵のお仲間でもうおひとり、

お手伝いに来てくださった方が
いました。

その方も、
初めての場所での個展準備は

色々と大変だろう
とお見通しだったのでしょう。
 

このお二人がいてくださったことで
心の余裕が生まれていました。

お二人が
お手伝いに来てくださったのは
会場準備のためだけではなく、

むしろその後の
一週間つづく個展のことも考えて、

経験者として
私達のことを想ってくだった
思いやりと優しさだったと感じます。
 

お二人への尊敬の想いが
深く静かに
心に広がっていきました。
 

こうして
交通会館での初めての親子展は、

助けて下さる方の存在に救われながら、
 

振り返れば
会場担当の方の事前の丁寧な打ち合わせ、

会場をつくりあげるための業者さんの
適切なアレンジメントなど、

徹底して私達を支えてくださる
プロの方の仕事ぶりにも触れる
貴重な体験ともなりました。

 

■ 会場で出来る事。

個展の様子 by NORi

個展期間中は
母と交代で受付をしました。
 

会場では普段
こちらからは
あまりお声がけしませんが、

お声がけ頂ければ
喜んでお話しさせて頂いております。
 

2年かけて描いた絵があったり、

こっそり
仕掛けが施してある絵があったり

お話する楽しみも
個展にはありますね。

 

同じ水彩画といえども、

実は、
色の使い方や塗り方、

それぞれの絵によって
違っていて、

紙の厚みも
絵によって違ったりしているんですよ。

などという説明に
驚かれる方も多いのです。
 

でもそれは、
どこにも解説を書いていません。

絵の近くに
小さな紙が貼ってありますが、

その紙に書いてあるのは、
作家名と
絵のタイトル、

絵画のサイズや技法、
価格くらいのものです。
 

情報を
あまり書かないようにしています。
 

絵は
理論的に考えて
読み解く楽しみや

知ることで理解を深めていく
楽しみがある一方で、
 

簡単に言語化できない
感性で受け取るもの
でもあると感じます。

そのとき、
情報が邪魔になることがあります。
 

ですので、
邪魔にならない程度に

情報を制限して
絵を飾っています。
 

心の中で起こる絵画との対話は、
その方がこれまで鍛えてこられた

とても深い視点で起こっている
ように思います。

そばに誰がいようとも、
それはとてもプライベートな時間
だと感じます。

 

複数人で来られて
互いに絵の感想を語り合いながら
ゆっくり絵を鑑賞するというのは

普段とは違うコミュニケーションと
なるのかもしれません。
 

絵の前で足を止め、
その絵をじーっと眺めていらっしゃる

そんな姿を拝見するたび、

その方の感性や人生の価値観が
今、心の中で何を語っているのだろう?

と、
とても神聖な気持ちになります。
 

お越しいただいた方の
眼差しの向こう側にある世界を

画家の言葉として
楽しくお伝えできたらと思っています。
 

画家になるには|後片付けをする


長いようで短い
個展が無事に終わったら

搬出です。

そして
会期中に成約した作品は
個展終了後に順番にお届けします。
 

直接届けられる方には
手渡しするのが安心です。

ご自宅にお届けする場合には
飾り付けのお手伝いをして
喜んでいただけることもあります。
 

また、
全ての作業が終わったあとに
やっておきたいことがあります。

それは名簿の整理です。
 

案内状を送付したところ

相手の方がお引越しなどで
案内状が戻ってくる場合があります。
 

そのような宛先は
名簿から削除して、

会期中の芳名帳に
新しいお名前を見つけたら

名簿に加えておきます。
 

このように
個展が終わるたびに

名簿を常に新しい情報に
書き換えておくこと
が大切です。
 

この作業は
慌ただしく過ぎ去った個展の様子を

今一度振り返ることのできる
貴重な時間でもあります。
 

会期後に改めて芳名帳を見ることで
来てくださった方の顔が浮かび
感謝が溢れます。

絵を買ってくださった方には
改めてお礼状を書くこともできます。
 

次回の個展は
もっと良い作品を揃えようと

新たな気持ちも湧いてきて、

また新しい次の一歩を
軽やかな気持ちで
積み重ねていくことができます。

 

新しくご縁をいただいた方にも

また次回、
素敵な案内状を
届けられるといいですね。
 

画家になるには《まとめ》

  • 自信のある作品を揃えることが、個展のクオリティーを上げます。
  • 来ていただきたい方に合わせて会期と場所を考えると良いです。
  • 案内状は、出すタイミングを逃さず、魅力的で読みやすく作ると良いです。

 

NORi
これまて10年以上
絵を描いてきましたが、

今でも
個展で絵の発表を続けることは
とても大切な時間です。
 

様々な課題に取り組み
自分の品性を高めるだけでなく

多くの方へ貢献できる
普遍的な美の追求といった
芸術における目的に向かって

これからも精進して
参りたいと思います。

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