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ゴッホと色彩科学|3原色と補色〜ひまわりの黄色の秘密〜

    
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ゴッホと色彩科学|3原色と補色〜ひまわりの黄色の秘密〜

こんにちは、NORi です。
今回のテーマは『ゴッホと色彩科学』です。ゴッホというと『ひまわり』の作品が真っ先に思い浮かびます。それは、色の3原色の1つである【黄色】を多用していることと無関係ではないと思います。

そんな色の3原色の正体と、その中でも唯一無二の特徴を持つ【黄色】の魅力についてご紹介してみようと思います。

NORi

【ゴッホと色彩科学】3原色とは?

want-to-draw

私達は色の組み合わせを
感覚的に知っています。
 

たとえば
黄色と赤色を混ぜれば
オレンジ色になるとか、

黄色と青色を混ぜれば
緑色になる

というのは体験的にも
納得できる現象です。

 

また、
黄色は作ろうと思わないと思います。

黄色はつくるものではなく、
他の色を作るための基本的な色だと
なんとなく知っているからです。
 

色を作る素になるのが
黄色・赤色・青色の3原色
というわけです。

しかしなぜ、
3原色は他の色を混ぜて作ることが
できない
のでしょうか。
 

3原色とは一体何なのでしょうか?
 

それは私達の目や脳の構造
原因がありました。



私達の脳は
基本となる3つの色の組み合わせで
あらゆる色を感知しています。

これは進化の過程で
3色型の色覚を獲得したため

言われています。

蜜蜂の色覚は人間と同じく3色型だそうですが、人間の色覚よりも見える光の範囲が広いのだそうです。

鳥はさらに多く4色型だそうです。

蜜蜂も鳥も紫外線領域に色覚を持っていて、人間には見ることの出来ないさらに複雑な自然の姿を見ているのですね。

また、犬や猫は2色型、の組み合わせで色を感知しているそうです。

このように
人類は3色型の色覚を獲得したことで、

あらゆる色を
基本の3色に分けて理解できる

という能力を持っていることになります。
 

【ゴッホと色彩科学】光の3原色(RGB)と加法混色の原理


私達の視神経にある
3つのセンサーが担当している光を
脳が色づけすると次のようになります。

  • 赤色(Red)
  • 緑色(Green)
  • 青紫色(Blue)

これが視細胞によって検出できる
基本の光の色ということになります。

この3色は【光の3原色】と言われ
英語の頭文字をとって
RGBと呼ばれています。
 

光の色を混ぜると何色になるか?
というのは

私達が普段みている
絵の具の色を混ぜる混色とは違います。
 

日中の景色を考えてみますと、

私達は普段
明るい太陽の下で様々な物を見て
生活をしているわけですが、

太陽光自体の色を考えたりしません。

ただ
明るく見える
という感覚です。
 

そのため
太陽光は白色光と呼ばれています。

その白色光である太陽に
プリズムを当ててみると

虹色の様々な光が分離して見えます。
 

これは太陽光スペクトルと呼ばれていて

白色光(太陽光)に含まれる全ての光が
少しずつ波長がズレた形で
色として観察できる現象です。

つまり
白色光(太陽の光)には

太陽光スペクトルで観察される
虹色に見える全ての色の光が含まれている

ということが分かります。
 

逆に
虹色の光を全てを足し合わせると
白色光になる
というわけです。

このように
【光の混色】では光の色を混ぜていくと
光は白に近づいていきます。

光の色を足すことで
完全な太陽光(白色光)へと
近づいていくからです。
 

色に偏りがなく
混色が出来た時に白になるのが
【光の混色】です。

したがって、
さきほどの光の3原色

  • 赤色(Red)
  • 緑色(Green)
  • 青紫色(Blue)

を同じ強さで混色すると白になります。
 

このような【光の混色】は

色を混色するほど明るさが加わり
白色に近づくので、

加法混色と呼ばれています。

※ 加法混色は英語では Additive Color Mixture と表記されます。Additiveは『足し算』のadditionからきています。

色を混ぜると
黒色へと近づいて色が暗くなる
【絵の具の混色】とは逆の世界となります。
 

テレビのモニターなどの発光体は
【光の3原色】RGBを採用しており、

【加法混色】の原理を使って
あらゆる色を表現する形を取っています。
 

ちなみに
Rの光Gの光Bの光黄色の光
になります。

なんだか不思議な感覚ですね。

同様に
Rの光Bの光赤紫の光
Gの光Bの光青緑の光
 

Rの光Gの光Bの光白い光
となります。
 

【ゴッホと色彩科学】色の3原色(CMYK)と減法混色の原理


これまで見てきた
【光の3原色】および加法混色の原理は

感覚的にはあまり馴染みのない世界では
ないでしょうか。
 

赤色と緑色を足したら黄色になるなんて
ちょっと頭がこんがらがりますね。

では
私達が普段見ている色とは
何が違うのでしょうか。
 

何か色のついた【物】を見るとき

私達はTVなどの発光体からの
【光】の色を直接見る
というのとは
違うメカニズムで色を感知しています。

TVの画面は
それ自体が発光体ですから、

部屋が真っ暗でも見ることができます。
 

ところが
色のついた【物】を見る時には

必ず光が必要です。

暗闇では何も見えないわけです。
 

つまり
発光体でない限り

私達は太陽光などの光を通して
物をみていることになります。

 

発光体としての【光の色】と区別して

光が無ければ(真っ暗闇の中では)
見ることができない
【物の色】のことを

色材の色】と言います。
 

絵の具も光のないところで
発光するわけではないので
色材です。

色材の色というのは
たとえば次のような感じで見えます。

  1. 太陽の光(白色光)がまず物(色材)を照らす
  2. 物(色材)は太陽光を反射して、私達の目にその光が入る
  3. 私達の目に光が入ることで、物(色材)があることを脳で理解する

②で
物(色材)が光を100%反射するならば
私達の目には
白色光がそのまま届きますから

その光の色は
白く見えるはずです。
 

このように
光の反射率100%の物(色材)は
白色に見える
ということになります。
 

白い色をしたもの(色材)は全て
光の反射率100%の物質
ということになります。
 

では
赤色に見えるとき
あるいは
青色に見えるとき

それぞれ
その物質(色材)は太陽光を
どのように反射しているのでしょうか?
 

赤色に見えるということは

その色材は
赤色の波長の光だけを反射して

赤色の波長の光だけが
私達の目に入ってきます。
 

反射しなかった光は
どこへ行くのでしょう?

それは
赤色の色材自体が吸収したことになります。
 

先ほどの3つのステップを
より詳しく書き直すと
次のようになります。

  1. 太陽の光(白色光)がまず色材を照らす
  2. 色材は太陽光の一部を吸収して、残りの光を反射する。
    (白い色材は光の吸収率は0%で100%光を反射すると考えます)
    (赤い色材は赤色以外の波長の光を全て吸収し、赤色の波長の光だけを反射します)
  3. 私達の目に入った光の波長から、今見ている色材の色を私達の脳が認識する。

前の章でみてきた【光の色】のように
発光体から直接、
目に光が入るのとは異なり

色材の色というのは

  1. まず太陽光が色材に当たってから、
  2. 色材が一部の光を吸収した後に、残りの光だけを色材が反射することで
  3. 反射された光が目に入る

という3ステップを通して

おおもとの太陽光からの
引き算が起こっている
と考えることができます。
 

この引き算の原理は
絵の具で混色する際も
一貫して起こります。

たとえば、
青色と赤色の絵の具の混色
を考えてみます。
 

青色の絵の具は
すでに太陽光(白色光)から
青色以外の波長帯の光を吸収しています。

そこに赤色の絵の具を混ぜると
どうなるでしょうか。
 

赤色の絵の具は
赤色の波長の光だけを反射して
私達に届けますから、

赤色以外の波長の光を完全に吸収します。
 

この赤色の絵の具を
青色の絵の具に混ぜると、

青色の絵の具で反射された
青色の波長帯の光から

今度は
赤色の絵の具が
赤色以外の波長の光を吸収します。
 

青い絵の具から反射された
青色帯の波長の光のうち、

赤色以外の波長の光は
赤色の色材によって吸収されます。
(つまり純粋な青色は吸収され、
赤味の無い青色系の波長帯の光は
全て赤い色材によって吸収されて
しまいます)
 

それらの引き算(色材による吸収)
が終わった後に

残る(最終的に反射される)光とは、

青味を持ち、
かつ赤味を持った波長の光だけ
ということになります。

つまり紫色の波長体の光だけが残る
ということになります。
 

このように
赤い絵の具と青い絵の具の混色からは

紫色の波長の光だけが反射されて
私達の目に入るため、

その混色された色材(絵の具)の色を
私達は紫色だと認識する
ということになるのです。

この引き算の原理を重ねていくと
色を混ぜれば混ぜるほど
色材によって反射される光は減っていく

ということになりますから

どんどん明るさも減っていきます。
 

このことから
【色材の混色】のことを
減法混色と呼びます。

※減法混色は英語で Subtractive Color Mixture と表記されます。Subtractive は『引き算』の subtraction からきています。

実は
色材の3原色とは
光の3原色からの引き算

なのです。
 

光の3原色RGBは以下の色でした。

  • 赤色(Red)
  • 緑色(Green)
  • 青紫色(Blue)

この光の3原色が
太陽光から引き算されたら

残りの光は
私達には何色に見えるでしょう。
 

たとえば
R の波長の光を吸収する色材
があったとするならば、

  1. 太陽光(白色光)が色材に当たり
  2. 色材がRの波長の光を吸収し、残りの波長の光を反射すると
  3. 私達の目に届いた反射光によって私達の脳はその色材を何色と判断するか?

ということです。

その答えは青緑色になります。
赤味が一切感じられない色ですね。

この色は英語で Cyan と呼ばれています。
 

同様にして
引き算から得られる色は以下の通りです。

  • Rの光を吸収する色材青緑色(Cyan)にみえる。
  • Gの光を吸収する色材赤紫色(Magenta)にみえる。
  • Bの光を吸収する色材黄色(Yellow)にみえる。

以上の

  • 青緑色(Cyan)
  • 赤紫色(Magenta)
  • 黄色(Yellow)

色材の3原色と呼び、CMYといいます。
 

CMYの全てを等量混色した場合には

全ての波長域の光が
色材によって吸収されるため
黒色となります。

黒色は
全ての光の波長を吸収して
一切反射しない色、

つまり黒色は
光の吸収率100%・反射率0%の色
と定義することができます。
 

光の吸収率0%・反射率100%の白色とは
正反対の色と言えます。
 

また実際には
色材の混合で完全な黒色を作るのは難しく

色材の3原色CMYに加えて

  • 黒色 (Key Plate)

を追加することで
現実的にあらゆる色を生み出すことが
可能となります。



カラーコピーやカラー印刷などの
色材の混色には
このCMYKの4色が採用されています。
 

ちなみに、
3色型の色覚をもつ私達の脳の中では
次のようなことが起こっているそうです。
 

私達が物を見て
青緑色(Cyan)と感じるとき、

視神経の中では
緑錐体と青錐体という2つのセンサーが
同じくらいの光を検出したと判断されている
ということだそうです。

同様にして
赤紫色(Magenta)および黄色(Yellow)
それぞれ
青錐体と赤錐体および赤錐体と緑錐体
等量の光を検出したときに感じる

ということになっているようです。
 

【ゴッホと色彩科学】補色について


前章で

光の3原色RGBから
色材の3原色CMYが決まることを
お伝えしました。
 

白色光から

  • Rの光を引くと → Cの光が残る
  • Gの光を引くと → Mの光が残る
  • Bの光を引くと → Yの光が残る

ということは
逆に次の関係が成り立ちます。

白色光から

  • Cの光を引くと → Rの光が残る
  • Mの光を引くと → Gの光が残る
  • Yの光を引くと → Bの光が残る

さらに
次の関係も成り立ちます。

光の加法混色の原理により

  • Cの光とRの光を混ぜると
  • Mの光とGの光を混ぜると
  • Yの光とBの光を混ぜると

全て白色の光になります。

色材の減法混色の原理により

  • Cの色材とRの色材を混ぜると
  • Mの色材とGの色材を混ぜると
  • Yの色材とBの色材を混ぜると

全て黒色の色材に見えます。
 

以上のように

互いに補い合う関係にある色を
補色といいます。

したがって、

  • 青緑色(Cyan)赤色(Red)
  • 赤紫色(Magenta)緑色(Green)
  • 黄色(Yellow)青紫色(Blue)

はそれぞれ補色関係を持った色です。
 

補色の関係にある色は
まだまだ他にも沢山あります。
 

太陽光スペクトルに現れる
虹色の帯を
円の上に綺麗に並べたものを
色相環といいますが、

色相環の反対側に位置する色のことを
補色といいます。


【ゴッホと色彩科学】高貴な色たち


ここまで絵の具(色材)の3原色や
補色についてご紹介してきましたが、

私たちの身の回りには
もっと複雑な色が無数に広がっています。
 

そんな色彩あふれる世界では、

全ての現象、
あらゆる感情や記憶に色を伴う
ということも自然なことかもしれません。
 

そんな中で
高貴な色として
扱われてきた色があります。

 

ここでは
高貴な色として採用されてきた色を
取り上げてみようと思います。

■ 青紫色


古来より色の原料として使われたのが
天然の鉱物でした。
 

鉱物には様々な色があり、

それらを砕いて粉末にして
色材として使用してきた歴史があります。
 

たとえば
次のような鉱物が使われてきました。

    • 赤色→ 鉛丹(えんたん)

※ 丹頂鶴の「丹」の意味は、鉛丹と同じく「赤色」の意味から来てきます。丹頂鶴は頭部の赤い部分が特徴となっているため、このような名前になっているそうです。

    • 緑色孔雀石(くじゃくいし)

※孔雀石から採れる緑色は、和名で「緑青(ろくしょう)」と呼ばれています。

    • 青紫色ラピスラズリ

※ラピスラズリの色は、和名で「瑠璃(るり)」と呼ばれています。

様々な有色鉱物の中でも
最も貴重なものが

ラピスラズリだったと言われています。

ラピスラズリは
色材として使われた鉱物の中では
人類史上最古のもの
と言われています。
 

ラピスラズリを色材として使うためには
遠くアフガニスタンからヨーロッパまで
海を渡って運ばなければならなかった
ということから

ウルトラマリン(海を越える)」という
名前がついたそうです。

■ 黄色


黄色の色材となった主な鉱物は
黄土(おうど)でした。

絵の具ではおなじみの
「イエローオーカー」です。
(Pigment Yellow 43)
 

日本では黄土を
「きづち・きつち」と呼び、
輝くような黄色をした黄土として
京都伏見の稲荷山黄土が有名です。

ここで採れた黄土は
陶芸や日本画などの日本美術の顔料として
用いられてきたという歴史があります。
 

色彩学の観点から見ると

様々な色の中でも
唯一無二の特徴を持っているのが
黄色です。

 

色には様々な特徴があり、

その特徴に沿って
色を整理し分類することができます。
 

その特徴というのが
色の3属性と言われるものです。

  • 色相(色味)
  • 明度(明るさ)
  • 彩度(鮮やかさ)


この3属性によって
あらゆる色を分類できるわけですが、

そのような分類を通して
色を眺めてみると、

明度が高く彩度も高い色というのは
とても目立ちます。

 

明るくて鮮やかで
暗いところでも
鮮明に見える色だからです。
 

明度と彩度を定義づけると

  • 明度は光の反射率
  • 彩度は色相の純度

と言うことができます。
 

様々な色味の中で
最も明度が高いのはです。

ただ、
白という色は色味がなく
無彩色に分類されます。

色の鮮やかさ(彩度)はありません。
 

では、

明度が高く、かつ鮮やかな色となると
何色が当てはまるでしょうか。

それが黄色です。
 

そのため、
【黄色】は視認性の高い色として
利用されるようになりました。

現在でも黄色は
注意喚起などの色としても
活用されています。

■ 紫色


日本における『 高貴な色 』として
一般に浸透している色というと

【紫色】ではないでしょうか。
 

これは社会的な環境によって作られた
私達の認識が影響しています。
 

これまで見てきた
鉱物・金属から作られる色材を
無機顔料といいます。

それに対して
植物や動物などから採取した
染料から作られる色材を
有機顔料といいます。
 

昔から、
【紫色】の染料はとても高価で

高い身分の人しか
身に着けることができない色
だったそうです。
 

紫色の色材は
紫草の根(紫根;しこん)でした。

紫根から染め出される紫色は
大変な日数と手間がかかるそうで、

” 本紫 ” と称されていたそうです。
 

推古天皇が定めた
『 冠位十二階 』(604年) においても

最高位である「大徳」に当たる色が
この紫色だったと推定されています。
 

現代でも、
高い地位にある僧侶が着ている
袈裟の色にも
【紫色】が指定されているようです。

このような社会的・歴史的背景によって

【紫色】には『 高貴なもの 』
という象徴的な意味が込められ、

そのイメージを
私達は受け継いでいます。
 

また、
【紫色】は英語で purple ですが、

この単語自体も
紫色が高貴な色だということを
表しています。
 

purple の語源は、

古代ヨーロッパで使われていた
貴重な染料、プルプラ(purpura)

プルプラは貝です。
 

その貝紫の分泌液が
【紫色】の染料として使われていました。
 

なんと、
2,000 個の貝 (purpura) から

たったの 1g しか染料を採取することが
できないくらい、

非常に高価なものだったそうです。

■ purple と violet

【紫色】を表す英語には

purple の他に
violet がありますね。
 

violet は
少し青みがかった【紫色】のことで

violet = bluish purple
となるようです。


ultramarin-violet-sch

ちなみに右の写真は
ultramarin violet という色です。


また、
『源氏物語』で有名な
若紫(わかむらさき)

色名というより形容詞または掛詞として
使われていましたが、

明るい紅みのある【紫色】です。
 

英語で表現するならば、
light purple です。
 

一言で【紫色】と言っても
様々な色がありますね。
 

ここまで
高貴な色という印象の強い色として
3っつの色を紹介してきました。

  • 無機顔料ラピスラズリ(瑠璃)の青紫色
  • 最高明度と彩度を持つ黄色
  • 有機顔料プルプラおよび紫根の紫色

偶然でしょうか?
― これらの高貴な色
「青紫・紫色」と「黄色」は
互いに補色関係にあります。
 

補色の関係にある黄色と紫色が

ともに高貴な色であるというのは
なんだか不思議ですね。
 

ここからは、

高貴な色【黄色】が印象的な
ゴッホの絵画について
ご紹介してみたいと思います。
 

【ゴッホと色彩科学】絶望の画家ゴッホと黄色


ここまで3原色のお話をしてきましたが、

3原色の中で
最も明度の高い黄色は

多くの画家にとっても特別な色でした。
 

黄色を多用した画家というと
ゴッホの絵画を真っ先に思い出します。

黄色い『ひまわり』の絵は
パリで描かれた連作
10点ほどが確認されているそうです。
 

その『ひまわり』が描かれた同じ時期に

『マルメロとレモンの静物画』という
これまた黄色で埋め尽くされた絵を
ゴッホは描いています。

 

ゴッホはどんな想いで
黄色い絵の具を使っていたのでしょうか。
 

『ひまわり』というモチーフ自体は
その当時パリで人気のモチーフだったそうです。
 

実は
そもそもパリに移住する理由
ゴッホは手紙に残していたそうです。

それは『強烈な太陽』を見ること。
 

そして、
こうも言っています。

-『万物を混じりけのない
黄色の光であふれさせ
』-
 

彩度(色の純度)の最も高い
純色の中の黄色、

そして
純色の中でも
最も明度の高い黄色を

あふれる光の表現に用いた
と考えられます。
 

パリで描かれたこれらの作品は
暗い陰影を表す色はほとんど無く

色彩によってモチーフの存在感が
表現されているように見えます。
 

その中には

もはやモチーフと
その背景や周りの空気感が
混ざり合うようにして

画面全体が光に包まれているような
印象を感じる筆さばき
作品から見て取れるものもあります。
 

そのときの
光に包まれた様子が
黄色の色彩によって
表現されているのでしょう。

ゴッホは補色や反対色を効果的に使い
鮮やかな色を豊かに表現しています。


その他のゴッホの絵画においても

黄色は独特の神聖さ
を表現しているように感じます。
 

どこか人の意思や認識を超え
刻々と私達を押し流していく
圧倒的な生命の流れ、

その流れに同化し
光を放つあらゆる生命の共演や
響きあいのようなものが

ゴッホの絵画から
感じられるように気がします。



【ゴッホと色彩科学】まとめ

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  • 光の3原色は、私達の視神経~脳への伝達メカニズムが生み出すものです。
  • 色材の3原色は、光の3原色から導かれます。
  • ゴッホの絵画に現れる黄色には、この世の全ての存在を丸ごと活かすような圧倒的な生命力と、それを内に秘めた私達自身の根源的な力といった、渾然一体ととなった力強さと尊さといったものが表現されているように感じます。


ついつい目が行く黄色には、色彩学としての理論的な理由もありますが、色のなかで生きている私達の感性にはもっと深い精神性が色と結びついているような気がします。色とはもうひとつの言語と言えるのかもしれません。

NORi




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