【色彩科学】マンセルの3次元色相環|一本の木になる表色系


NORi
こんにちは、NORi です。

今回のテーマは
『マンセル色相環』です。

NORi
マンセルというアメリカの画家さんは
無数にある色の違いを

自然の中で育つ木の姿にあてはめて
カラーツリーというものをつくりました。

素晴らしい発想ですよね。

NORi
今回はそんな
マンセルのカラーツリー
(マンセルの3次元色相環)を

ご紹介してみようと思います。

色の選択肢が広がって
より自由な気持ちで絵が描けますように。

 

【マンセル色相環】画家マンセルとは?


マンセルのカラーツリー
(マンセルの3次元色相環)は

マンセル・カラー・システムや
マンセル表色系、
マンセル色体系、
マンセル システムと呼ばれています。
 

こうした
マンセルが考案した色見本の表記法は
国際的に認められているもので、

学術的にも米国光学会によって
さらに正確さを加筆修正されて
現在は世界中で広く使われる表色系
となっているようです。
 

考案したのはアメリカの画家
アルバート・ヘンリー・マンセルです。
(Albert Henry Munsell, 1858-1918)

海の風景画と肖像画を得意とする
画家だったようです。
 

美術教育者でもあったマンセルは、

色を伝える際に色の名前だけでは曖昧で
誤解を生みやすい
として
もっと効率的に正確な色を把握することができる
色の表現方法はないかと考えました。
 

色を科学的な特徴から体系化し、
精密に記述する試みが始まりました。

マンセルは以下の三つの著書を発表し、マンセル・カラー・システムは国際的に認められる表色系の基礎となりました。

  • A Color Notation(1905)
  • Atlas of the Munsell Color System(1915)
  • A Grammar of Color: Arrangements of Strathmore Papers in a Variety of Printed Color Combinations According to The Munsell Color System(1921)

 

【マンセル色相環】マンセル色相環と色の3属性


マンセルが考案した表色系
(マンセル・カラー・システム)は
色の3つの特徴を軸に体系化されています。

色の3つの特徴とは
色の三属性のことで、

絵の具などの物体の持つ色の性質を示す
典型的な指標です。
 

マンセルが色を分類するために採用した
3つの属性は次の通りです。

  • マンセル色相(Hue)
  • マンセル明度(Value)
  • マンセル彩度(Chroma)

これらを基準として色を分類することができます。
ひとつずつ説明していこうと思います。
 

①マンセル色相(Hue)

色相とは、
赤、青、黄色といった
色を特徴づけている色味のことです。
 

マンセルは
まず最初に基本の色相として
次の5つの色を選びました。

  • 赤色(Red)
  • 黄色(Yellow)
  • 緑色(Green)
  • 青色(Blue)
  • 紫色(Perple)

それから、
これらの色相の間に位置する
(混色によって生まれる)

次の5つの色を
中間色相として選びました。

  • 黄赤色(Yellow Red)
  • 黄緑色(Green Yellow)
  • 青緑色(Blue Green)
  • 青紫色(Perple Blue)
  • 赤紫色(Red Perple)

以上の10色を
綺麗なグラデーションとなるように

丸い円の上に配置して
色相環というものを作りました。

  • 赤色(Red)
  • 黄赤色(Yellow Red)
  • 黄色(Yellow)
  • 黄緑色(Green Yellow)
  • 緑色(Green)
  • 青緑色(Blue Green)
  • 青色(Blue)
  • 青紫色(Perple Blue)
  • 紫色(Perple)
  • 赤紫色(Red Perple)

そして、
赤紫色(Red Perple)の次は
再び

  • 赤色(Red)

に戻ることで

色が循環していく様子を
表しました。
 

このようにしてできた
丸い円の上に色が配置されているものを
色相環(Hue Circle)といいます。
 

マンセル色相環は10色相から成っており、
円の対極に位置する色は
補色関係になっています。

その2色を混色すると
無彩色になるように
作ってあります。

【色彩科学】有彩色とは|色の種類と三属性-色相・明度・彩度

 

②マンセル明度(Value)

明度とは、
光の反射率を表しています。
 

マルセルは色の明度を
0〜10で分類しました。

反射率0%の黒色か明度0で、
反射率100%の白色が
明度10
です。
 

真っ暗闇の黒は
全く光がない状態ですが、

黒という色は
光を完全に吸収してしまい

反射して光を跳ね返すことがないため
光のない空間をつくります。

したがって、
この反射率0%の理想的な黒色が
明度0となります。
 

逆に、
白色は全ての波長の光を均等に反射して
太陽光(白色光)をそのまま
跳ね返すため、色がありません。

この
反射率100%の理想的な白色を
明度10として

色味(色相)のある有彩色の明度はすべて
0〜10の間に収まることになります。

【色彩科学】有彩色とは|色の種類と三属性-色相・明度・彩度

 

③マンセル彩度(Chroma)

彩度は色味(色相)の純度を示していて
色相の鮮やかさ、鮮明さを表す指標です。
 

色相を持たない
白・灰色・黒の無彩色には
色味が含まれていないため

色相の純度は0で、
彩度がありません。

その無彩色を彩度ゼロとして、
そこから徐々に
色味の量が増えていくにつれ
色相の純度が高まり

彩度が上がっていく色の様子を
1、2、3、というように整数で
対応づけています。
 

また色相によって固有の彩度があり
全ての色相で彩度の最高値が
一致しないことも数字で示されています。
 

色の3属性の基本的な考え方については
↓こちらでもまとめております。

【色彩科学】有彩色とは|色の種類と三属性-色相・明度・彩度

 

【マンセル色相環】未完成のカラーツリー


マンセルは以上の3つの属性
色相・明度・彩度を使って

色の特徴を立体的な形として
表現しました。
 

その形は一本の樹木を模していました。
 
まず

大地から空へと伸びる幹には
無彩色の明度を垂直方向に下から順に
0(黒)、1、2、・・・、10(白)まで
配置しました。

太陽からの光が当たる
上の方が明度が高く、
下に行くほど明度が低くなっています。
 

主軸となる木の幹の周りには
様々な色相の枝が広がっていきます。
 

枝の先端は新芽のように
彩度の高い色が配置されるように、

幹の軸を彩度ゼロとし、
枝が伸びていく方向に向かって
1、2、3、・・・と
彩度の高さを表す数字がふられています。
 

木樹木を真上から覗くと
ちょうど色相環を形成しています。
 

マンセルの3次元色相環は
実際に作れる色相にこだわって
色が配置されている
そうで、

色の製造技術が高まるにつれ
枝はより長くなる可能性があり
カラーツリーにも成長の余地を
残しています。
 

【マンセル色相環】マンセル表色系の表記法


色の3つの属性を基準にした
マンセルの表色系は

  • マンセル色相(Hue)
  • マンセル明度(Value)
  • マンセル彩度(Chroma)

属性の頭文字をとってHVCと呼ばれます。
 

色相番号(H)・明度番号(V)/彩度番号(C)
という順番で表記することで

正確な色の伝達が可能となっています。
 

HVCは国際的に認められた表色法として
世界中で広く使われています。

また、
JIS(日本工業規格)にも採用されて
様々な分野のカタログなどにも
記載されているようです。

 

マンセルカラーシステムは、
色見本と照らし合わせる形で
色の伝達を行う方法です。

工場などに発注する際に
互いに色見本をもっていれば

記号だけで正確な色を再現できる
というシステムです。
 

色を伝達する際に最も汎用性の高い
表色系の1つとして

マンセル表色系(HVC)が使われている
ということですが、

色の開発も歴史が長く、
現代でも昔は難しかった色も
安定的に供給されるようになってきました。

科学技術の進歩によって
色の開発が進むにつれて

より彩度の高い色も生まれる
可能性もあります。
 

そうすれば、
カラーツリーの枝が伸びていくように

現代のマンセルカラーシステムは
さらに発展していくのでしょう。
 

【マンセル色相環】まとめ

  • マンセルの色表系は色相(Hue)明度(Value)彩度(Chroma)の3つの属性が基準となっています。これをHVCと呼びます。
  • マンセルは色相の特徴を一本の樹木に模して立体的に示しました。
  • マンセル色表系は世界中の広い分野に応用されている最も汎用性の高い色の伝達ツールの一つとなっています。

 

NORi
マンセルの
カラーツリーという概念は

自然を愛する画家としての
姿勢を垣間見るようで

なんだか
とても素敵だなと思いました。