【水彩紙に水張りはいらない?】水張りしない絵のはじめ方


こんにちは、NORi です。

今回のテーマは
『水張りしない方法』です。

私が水彩画をはじめた頃は
水張りの必要性も良く分からず、

波打つ紙もなんのその!
黙々とスケッチブックに
色を塗って楽しんでいました。

 

水彩紙を使うようになってからも

適当な画版や段ボールに
水彩紙をテープで貼りつけて

紙の凸凹など全く気にせずに
色を塗って楽しんでいました。

今回はそんな
本格的な初心者だった頃の私が

水張りしないで
水彩画を楽しんでいた方法

ご紹介してみようと思います。
 


絵を描く喜びや楽しさを
実感できる時間を過ごせますように。

 

【水張りしない方法】水張りせずに始める水彩画


絵を描きたい!
色を塗ってみたい!

といった感情は
一体どこからくるのでしょう。
 

皆んなが皆
絵を描く訳ではないので

やはり
そこにはとてもプライベートで
心の深淵に触れるような
何があると感じます。
 

独創性の芽生えを
具体的な行動で示そうという

とても力強い情熱から来るもの
とも思えてきます。
 

自分の中に
そのような根源的な情熱があるなんて

嬉しいような
ちょっと恥ずかしいような。。。
 

絵を描いたいと思うきっかけは
皆それぞれ違って
きっと色々あると思います。

幼い頃からなんとなく
絵を描くのが好きだった方も
いらっしゃるでしょうし、

大人になってから
突然スイッチが入る方も。
 

私の場合は
『一目惚れ』
という感じでした。

圧倒的な透明感と美しい色彩を誇る
透明水彩画をたまたま見る機会があり

あまりの美しさに
すっかり感動してしまいました。
 

それから
絵の具や筆を揃えて
絵を描き始めたのですが、

本格的な(?)初心者だった私にとって
何よりも楽しかったのは
透明水彩で絵を描く
『時間』そのものでした。

 

水張りや基本の塗り方など
後から気がついて学びましたが、

そのようなことを
勉強することよりも先に

絵を描いている!
というその時間そのものが喜びで

当初の透明水彩への感動という源泉に
自分もどこか触れるような気がして
とても幸せな気持ちでした。
 

このことが
私がそのまま
絵を描き続けることになった

大きな要因だったのではないか
と感じています。

【透明水彩の塗り方動画】絵の具の塗り方・技法・スケッチ

ここからは、
そんな私が

水張りもしないで
楽しく水彩画を始めた方法

ご紹介してみようと思います。
 

【水張りしない方法】スケッチブックに描く

愛用のスケッチブック by NORi

私が最初に絵を描き始めたのが
スケッチブックでした。
 

単純にそれしか知らなかったから
なのですが、

紙の質など全く考えずに
気に入ったスケッチブックを
適当に買って

まずは絵日記を書き始めました。
 

スケッチブックというよりも
少し厚手の無地のノート
といった程度のものもありました。

表紙が気に入って
選んだりしていました。
 

最初は日記(文字)がメインで
ところどころに絵の具で
線を引いたりする程度でした。

せっかく絵の具があるのに
線を引くだけ?

という感じですが、

そのときは
それだけでも
楽しかったのです。
 

線の色を交互に変えて
色の組み合わせを楽しんだり

線の途中で筆に違う色をつけて
色が混ざり合う
ちょっとした変化を楽しんだり。
 

そのうちに
日記の空いたスペースに
絵でも描けたら
と思うようになりました。

自分のペースで
少しずつ興味が広がっていった
という感じです。
 

せっかくだから
何かお手本が欲しい
と思い

気に入ったイラストが
沢山載っているような
絵の本を買って

簡単な花のイラストを
絵の具でマネして描いたりしました。
 

日記の文字と
空いたスペースのイラストが
組み合わさって

毎日作品を作っているような
気分でした。

 

今、振り返ってみると
どれも簡単で
単純なモチーフですが、

当初はひとつひとつが新鮮で
色々な描き方を練習したことに
なったのかもしれません。
 

水彩用の紙でもないので
ところどころ波打ったりして

絵の具がうまく乗らない
ということもありましたが

その紙しか知らない私にとっては
描いている事自体が楽しくて
全く気になりませんでした。
 

あれ?
変になっちゃった。

とティッシュで拭き取って

また次のページに
新しく絵を描くという感じでした。
 

あるとき
雑談がてらに
このスケッチブックを見せたら

この(水彩には不向きな劣悪な)紙で
よくこれだけ描いたね〜
と言われてはじめて

そうか、
これは水彩用の紙では無かったのか!
専用の紙があるのか!

と知りました。
 

【水張りしない方法】冒険心を活かす


当時の私は
水彩専用の紙があることを知らず
他の選択肢を考えることもせずに

目の前の吸水性の低い紙に合わせて
水の量を少な目に絵の具を溶いて
色を塗っていました。

 

その紙でなんとか可愛く綺麗に
絵が描けるように
夢中になって描いたことで

その紙については
腕が上がっていたことでしょう。
 

これは
きちんとした水彩を描く

という視点から見ると
ずいぶん遠回りで

もしかしたら
まったく不要の努力
と言われてしまうかもしれません。
 

ですが
こういう時間は

ものすごい力を秘めています。
 

なぜならば
きちんとした水彩を描けるようなった
その先に

もっともっと大切なことが
問われるからです。

 

「絵を描くのは楽しいですか?」
「どうしてそんなに楽しいの?」
「なぜ絵を描くの?」
 

もちろん
生みの苦しみ
という言葉があるくらいなので

モノ作りというのは
楽しいだけではない
とも言えますが、

それでも
どうしても絵を続けてしまう
根源的な喜び

絵を楽しむ私達の中にはあるのです。
 

それを見失わないように

その喜びを大切に味わいながら
絵が描けたら

どんなに幸せでしょうか。
 

特に
プライベートな情熱や感性を
拠り所とする創作活動においては

自発的な冒険の作業を
初期の段階で取り入れておくことは
とても価値があることだと感じます。
 

独学ならではの
たくましさや自主性が育ち

これがなかなか侮れないパワーを
発揮します。
 

きちんとした水彩を描く
ということは

後から技法を学べば
皆がある程度たどり着けること
かもしれませんが、
 

根源的な喜びというのは

教えてもらうもの以上に
広く深い自由を与えてくれます。

それが絵に出てきます。
 

きちんとした水彩よりも
喜びを感じて描く水彩は
何百倍も人を惹きつけることでしょう。

描いている人の心模様は
筆を通して
表出していきます。

 

急がずに
自分のペースで
自分の心を慈しむように

絵を描く時間そのものが
自分の心に与える影響力の大きさを
実感していけたらと思います。
 

絵を描きたい
という純粋な興味を

窮屈な形式やルールで抑え込まずに
どんどん好きなように描いたらいいと
私は思います。
 

やりたいようにやってみる。

そんなちょっとした経験の積み重ねが
一生の宝物になると思えてなりません。

きちんと教えてもらうのは
それからでも遅くは無い気がします。
 

冒険心を宿した人の吸収力は
ものすごいです。

なぜ私は絵を描きたいのだろう?

なぜこんなに絵を描くのが
楽しいのだろう?

あ~、本当に幸せかも!!!
 

そんな自分の想いや情熱、
純粋な喜びの謎を

解き明かしてみたくはありませんか?
 

わたしは長く
そんな時間を過ごしてきたような
気がしています。
 

そんな私のささやかな
楽しい絵のはじめ方が

一番身近で気楽に始められる
スケッチブックで
絵日記をつけることでした。
 

【水張りしない方法】水彩紙に描く

愛用のマスキングテープ by NORi

水彩画のための専用の紙
というものがある

という驚愕の事実を知った私は
(大げさですね・・・、笑)

水彩紙を使って本格的に(?)
絵を描きはじめることにしました。
 

水彩画教室の
体験レッスンに申し込んだのです。
 

そこでは
画板に水彩紙をテープで留めて
描く方法を教えてもらいました。

水彩紙は
ペラペラの1枚の紙の状態なので

何か下敷きのようなものを
紙の下に添えないと
絵が描けないというわけです。
 

その点
スケッチブックは楽ですよね。

下敷きなど考えずに
どんどん描けます。
 

もちろん
スケッチブックでも
紙質が水彩紙のものもありますし、

次に紹介するような
ブロックタイプというものもあります。
 

ブロックタイプも
紙質はきちんとした水彩紙で

下敷き要らずで
そのまま絵が描けます。
 

話を戻しまして

一枚の水彩紙で絵を描く場合には
下敷きが必要というわけですが、

この時に
紙を固定するテープというのは

画材屋さんに売っている
マスキングテープです。

愛用のマスキングテープ by NORi

マスキングテープも
幅が広い物と狭い物がありますが、

最初は中くらいのものを
選んでおけば大丈夫
ではないかなと思います。
 

基本的に
幅の広いテープは
糊の面が広くなりますので

幅の広いテープの方が
固定する力はより強力
と言えると思います。

 

たとえば
絵を描いているときに
紙が波打ったとすると

紙が大きいほど
その紙のヨレる力は
大きくなります。
 

ですから
大きな作品ほど
幅の広いテープが有効です。
 

小さな絵には
細目のテープで十分
かもしれませんね。
 

話を戻しまして

一枚の水彩紙で絵を描く場合には
下敷きが必要というわけですが、

マスキングテープで
水彩紙を画板に固定するのは
とっても簡単です。
 

画版の上に紙を置いて
紙の四辺をマスキングテープで
画版に留めればOKです。

マスキングテープで画版に紙を貼った様子 by NORi

この方法でわたしは
体験レッスンの後も
自分で水彩紙を用意して
何枚も何枚も絵を描くことができました。

パンジーの水彩画|花と葉っぱの塗り方動画《下絵と試し塗り》

 

本屋さんで
お手本になるようなものを見つけて
真似して描いたり、

塗り絵のテキストから
絵柄を選んで

透明水彩で好きな色を塗る
ということを
しばらく楽しんでいました。
 

また
マスキングテープを使って
ダンボールに水彩紙を貼って

スケッチ旅行に持って行ったことも
あります。

ダンボールは軽くて
スケッチ旅行にはおすすめです。

【旅先での水彩画道具】2月沖縄編|屋外スケッチ旅行の記録

《透明水彩》紙のサイズ一覧(500号まで)・紙の種類と選び方

 

【水張りしない方法】ブロックタイプに描く

愛用のブロックタイプの水彩紙 by NORi

前の章でも
少しご紹介しましたが、

水彩紙には
ブロックタイプ
というものもあります。
 

数十枚の水彩紙が重なっている
固いスケッチブックで、

一枚一枚の紙が全てまとめて
ブロックの側面で固定されているものです。
 

ブロックタイプはとても固くて
下敷き代わりの画板に水彩紙を
固定する必要はありません。

そのまま絵を描くことができるので
とても便利です。
 

一番上の紙に絵を描いて
その絵が完成して
完全に乾いたら

その一番上の一枚だけを
側面の糊から切り離せば
二枚目に次の絵が描ける
というものです。

ブロックタイプの水彩紙の側面例 by NORi

ブロックの側面の一部分だけ
糊がついていない箇所があって

そこから
1枚目と2枚目の紙の間に
ペーパーナイフや定規などを挟み込んで

ペーパーナイフで封筒を開けるときの様に
少し強めに力を入れながら

一番上の紙だけを
ブロックから切り離すことができます。
 

【水張りしない方法】卒業するタイミング


水彩画を描き慣れてくると

だんだん使う水の量が
増えてくるのではないかなと思います。

 

水彩といっても
【透明水彩絵の具】を使った

にじみ・ぼかしや重ね塗り
といった技法では

水をたっぷりと使うことで
透明感あふれる表現が
グッと際立ちます。
 

水の量が増えてくると
水彩紙に吸収される水の量も増えて

水彩紙は内側から柔らかくなります。
 

そのとき
どうしても紙が波打ってしまいます。

水彩紙をマスキングテープを使って
画板などに固定しておいても

マスキングテープの糊の力を
上回る強さで紙が波打ち

マスキングテープから紙
が外れてしまったり、
 

ブロックタイプの場合ですと、

ブロックの2枚目まで
色が滲んでしまったり
(こうなると2枚目は作品には使えません)
 

絵の具の水分で紙がうねり
側面で固定している
糊の強度が負けて

絵を描いている途中で
ブロックから紙が
部分的に外れてしまう
ということが起こったりします。
 

これは
トラブルではなく、

むしろ
腕が上がっている証拠です。
 

繰り返しになりますが、

透明水彩絵の具の最大の特徴は
絵の具の透明度の高さにあって

その特徴を最大限に活かすのが
水をたっぷり使う
透明水彩という技法だからです。

《透明水彩とは?》絵の具の特徴・技法の種類・道具選びまで

【透明水彩の塗り方動画】絵の具の塗り方・技法・スケッチ

透明水彩が得意とする透明感
というのは

下の紙が透けて見えるほどの
透明感なのです。
 

ということは
水の量を増やして
薄い色を重ねれば重ねるほど

透明感あふれる
ふんわりとした微妙な色合いの
ハーモニーが生まれるわけです。
 

そうなると
これまでご紹介してきた

【水張りしないで描ける簡単な方法】
では限界が出てくることでしょう。

卒業するタイミングです。
 

ここまできたら
そう!

自分で自分の求める塗り方で
絵の表現ができるように

自分で様々な紙や画材を試して
自分でカスタマイズしながら進む

というところまで来た
ということですね。

これは喜ばしいことです!
 

水彩紙だけでも
どれほどの種類があるか

画材屋さんに行くと
びっくりします。
 

吸水性や厚み、耐久性、
透けても美しい紙の肌目など
本当に豊かなバリエーションを揃えて
作られています。

 

例えば
坪量(g/m2
という指標で表記されている

紙の厚さも色々あります。

水彩画用紙|紙選びポイントと透明水彩のための水張りのコツ

600g/m2といった
厚手のものもあって、

これくらいになると
一枚の水彩紙でもボードのように
しっかりしていて、

水張りも下敷きもいらず
そのまま描いている方もいます。
 

そのような
特厚の紙を選ばない
ほとんどの場合では

一枚の水彩紙を
画板にしっかり水張りしてから
絵を描く

というのが基本となります。
 

このように
透明水彩は特に水を多く技法なので
紙選びが重要になってきます。

水彩紙の種類|おすすめの紙の条件とは?~有名メーカー比較~

 

【水張りしない方法】水張りとは?


そもそも
水張りとはなんでしょうか。
 

水張りというのは
絵を描く前に
あらかじめ紙に水を吸収させ

紙が水でふやけて
完全に伸びた状態になったところで
板に固定する方法
です。
 

そのまま放置すると
紙が自然に乾燥していきますが、

紙が固定されているため
乾燥しても紙が縮まることができず

ぴーんと張った状態の
綺麗な紙のキャンバスができる
というものです。
 

これは
【水を吸ったら伸びて、乾燥すると縮む】
という紙の性質を利用しています。

乾燥するにつれて
紙は縮まろうしますが

すでに板に固定されているため
紙は固定テープに引っ張られながら
伸びたまま乾くわけです。
 

水張りしたままで絵を描くと
何が良いのかといえば、

制作中に水を吸収して紙が波打っても
乾かせばまたぴーんと張った状態に
戻るので

完成作品としての
紙の仕上がりの美しさが保証される
からです。
 

ただ
透明水彩のように
大量に水を使う技法の場合は

仕上がりの美しさだけでなく
制作中においても紙が波打つことは
できれば避けたいところです。
 

波打ちに沿って
絵の具が流れてしまったり

水溜りのように
紙の凹みに色が残ってしまうからです。
 

なので
透明水彩を目的とした場合には
あらかじめ紙に水を吸収させる際に

これ以上
紙が伸びないところまで
充分吸水させることが
水張りのコツになります。

【水張りとは?】透明水彩のための『平張り』と『パネル張り』

 

【水張りしない方法】波打ちを消す裏技


最後に

波打ってしまった作品を
綺麗に伸ばす裏技をご紹介します。
 

せっかく描いた絵なのに

水張りしないで描いたら
絵が凸凹になってしまった!
 

水張りしたけど
やはり制作中に波打ってしまった!

なんとかしたい!
 

そんなときには、

絵の裏側から
霧吹きで水を吹きかけて

一旦
紙の凸凹やヨレを伸ばし
 

同じく裏側から
ハンカチなどを置いて

アイロンをかける
という裏技があります。
 

この際
絵全体を均一に乾かすつもりで
全体を満遍なく

ゆっくりアイロンの重みをかけると
比較的綺麗に仕上がります。
 

大きな絵になるとなかなか難しい
かもしれません。

この裏技は
応急処置ということで

やはり、水張りに勝るもの無し
という感じですね。

【水張りとは?】透明水彩のための『平張り』と『パネル張り』

《透明水彩》水張りテープの剥がし方 ~平張りの作品例~

 

【水張りしない方法】-まとめ

  • お気に入りのスケッチブックを買って、好きな画材で好きなように描いてみる、というのはとても楽しいものです。
  • 絵を描いているうちに、紙の波打ちが気になってきたり、波打たない綺麗な紙で絵が描きたいなと思うようになったら、水張りに挑戦するタイミングかもしれません。
  • 波打ってしまった絵をなんとかしたい・・・そんなときは、アイロンの裏技で波打が消せるかも!?

 

NORi
お気に入りのスケッチブックを
買い込んでは

時間を見つけて
絵日記を描いたり

可愛いちいさなイラストを
真似して描いていたことを
振り返ると

あんなこともあったな
こんなこともあったなと
色々なことを思い出しました。