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初心者さんが絵を習うための「大人の水彩画教室」の選び方

    
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初心者さんが絵を習うための「大人の水彩画教室」の選び方

こんにちは、NORi です。
今回のテーマは絵画教室の選び方です。『これから絵を習ってみたい。』そんな時どんな選択肢があるでしょうか。できれば楽しく学んでいきたいですね。

そこで今回は、絵の教室の様々なスタイルについて触れてみたいと思います。自分のライフスタイルに合った教室で、楽しく絵が始められますように

NORi

大人の水彩画教室選び|画風と先生で選ぶ

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絵を習うときに大切なのは、

これは自分が描きたい絵なのかな?
という部分かなと思います。



せっかく習うのですから、
『こういう絵が描きたかった!』
と思えるような

素敵な絵が描きたいですよね。


そのためには
教室で習う絵を
あらかじめ知っておくことが
とても大切です。






絵画教室にも色々あって、
カリキュラムの内容も
千差万別です。


デッサン、水彩、油絵、
アクリル、日本画、パステル、
テンペラ画など

様々な画材に
ひととおり挑戦できる
教室もあれば、

いくつかの画材に特化した
教室もあります。





「画材」というのは
絵のジャンル
イメージして頂ければと思います。

デッサン画、水彩画、油彩画、
アクリル画、日本画、パステル画、
テンペラ画・・・

といった感じです。


まずはこれと決めずに
色々な画材をひととおり
学んでみたい

と思われる方もいらっしゃる
ことと思います。






一方で
「水彩画教室」「⚪︎⚪︎教室」というように
一つの画材に特化した教室もあります。


絵を習いたい
と思ったけっかけとなった絵や
素敵だな〜と思う画家さんがいる

という方は、

学びたい画材は
すでに決まっているかもしれませんね。




様々なクラスを持っている
カルチャースクールでは

先生や生徒さんの作品が
飾られていることがあります。
 

そのような場所に足を運んで
『こういう絵が描きたい!』
と思ったクラスを選ぶ

というのがおすすめです。




■ 素敵な先生を探しに行く


近くにそういったスクールが無い場合や
大人数の教室が苦手な方は

近くの公民館や市民ギャラリー、
貸しギャラリーやカフェギャラリーなどを
覗いてみるのもおすすめです。



そういったところでは
個展やグループ展、クラス展などが
開催されています。

半年先や一年分のスケジュールが
すでに決まっていて
興味のある展示を探すこともできます。


そして
多くの画家さんが
絵の教室を持っています。






興味のある展示をチェックして
ぜひ見に行ってみてください!


『素晴らしい・・・』
『こんな絵が描けたらいいな・・・』
『習うなら、こういう絵がいいな』

と思った絵に出会ったら、
その画家さんの名前を覚えます。


その方が、
絵を習うべき先生の候補です。





できれば、
その画家さんがどのような方かを
知っておきたいですよね。


個展ならば
ほぼ必ずその会場に画家さんが
いらっしゃるはずですし、

グループ展ならば
交代で在廊する場合が多いので

その画家さんが会場にいる日を
受付で教えてもらうことができます。





その方が会場にいらっしゃったら
遠くから少し様子を見ましょう。

長いおつきあいになるかもしれないので
まずは慎重に(笑)。


なんとなく
フィーリングが合いそうな気がしましたら

(ここでも、いきなり習いたいと言わずに)
まずは少し会話をして
お人柄を感じられると良いですね。





例えば、
次ような感じで声をかけてみられることを
おすすめします!
・・・なんだか緊張しますね、笑。


『この絵を描かれた画家さんですか?』

あるいは

『⚪︎⚪︎さんでいらっしゃいますか?
(あちらの)絵を拝見しました。
素晴らしい絵だったので
受付でお名前をお伺いしてしまいました。』


『お描きになられた(あちらの)絵のお話を
少し伺ってもよろしいですか?』





ニコニコして快諾してくださったら、
まずは技術的な質問をしたりして
その方の絵の話を伺うといいと思います。


例えば
タイミングを見ながら、

『この絵は何で描かれているんですか?』
(油絵とかアクリルとか、水彩とかですね)

あるいは

『このモチーフを描かれようと思ったのには
何か理由があるんですか?』


『この部分の表現はすばらしいですね。』





といった感じで
(絵を習うかどうかは置いておいて)

どのような技法で描いているのかなど
自分の興味のある部分を質問してみたり、

この絵を素晴らしいと思った感想などを
率直にお伝えすると良いです。



そのような会話を通して

『こんな素敵な絵を描く
この画家さんに是非、絵を習いたい!』

という確信に至りましたら、


この素晴らしい絵を拝見して
ぜひ絵を教えていただきたいと
思うのですが、
お教室で教えたりされていますか?

と切り出してみると良いですね。





残念ながら
お教室を持っていらっしゃらなくても

どのようにして絵をはじめたらいいか
アドバイスしてくださるかもしれません。
 

こんなふうにして
(絵を習うかどうかは置いておいて)、

絵に感動して
その画家さんに直接お会いして
お話を伺うというのは

知らない世界をちょっと垣間見れるような
特別な体験になるのではと思います。





私も
なんて素晴らしい絵を描かれるのだろう
と感動する画家さんがいると、

その方の個展に行ったり
その画家さんの絵を沢山見たり
直接お話を聞ける機会をとっています。
 

人には『個性』があります。

誰かの絵を見て
素晴らしいと思うということは

どこか自分と
その作者さんの『個性』とが響き合っている
と言えます。






『こんな素敵な絵を描く
この画家さんに
是非、絵を習いたい!』

と思える
画家さんや教室の先生に出会ったら、
 

ぜひ積極的に時間を作って

その画家さんとお会いしたり
その方のお教室を訪ねてみたりして

自分が描いてみたいと思う絵を学べる
チャンスを作ってみて下さいね。






大人の水彩画教室選び|レベルで選ぶ




画材だけでなく
コースを設定している教室もあります。

『水彩画 初心者クラス』
みたいな感じですね。
 

このような設定がなく
ただ
『水彩画教室』
となっている場合には

どのレベルの生徒さんでも
取り組めるような
カリキュラムになっていたり、
 

生徒さんの力量に合わせて
個別に指導してくださる場合も
あります。





一番いいのは
気になる教室があれば
『一日体験レッスン』に
参加してみることです。

教室の雰囲気というのは
実際に参加してみなければ
なかなか分からないものです。
 

参加してみたら
生徒さん達の雰囲気も素晴らしくて
先生も素敵で、

あまりに楽しくて
それまで心配していたことなんて
全て取っ払われてしまった!

なんてこともあります。






とにかく楽しい!
とか

すごく雰囲気が良くて嬉しい!
といったことは

色々な心配や困りごとを払拭してくれて
不慣れな環境で楽しいことを始めるのを
後押ししてくれる力強いパワーになります。
 

それでも
体験レッスンで楽しさを感じられない
という時もあるかもしれません。

そんな時のために
参加する前に
いくつか条件や基準を考えておくのも
ひとつです。






この条件だったら教室に通う、

これは絶対に外せないから
納得できなければ
無理して通わない、

というふうに
いくつかチェックポイントを決めておくと
迷った時の判断材料になるかもしれません。



自分のレベルに合った指導を
していただけるかどうか

心配なことは
ざっくばらんに色々とお話を
聞いてみるといいと思いますよ。






大人の水彩画教室選び|人数で選ぶ




教室の規模によって
生徒さんの人数も変わってきます。


大規模のクラスでは
先生の授業を受ける
という雰囲気があるかもしれません。

その日の課題やテーマなど
先に説明を聞いてから
絵を描く作業に入る感じが
多いと思います。


皆んなで
同じ課題に取り組んで、

先生やアシスタントの方が
途中で様子を見に
回ってくださる場合もあります。





一方で
小規模のクラスでは

先生が細やかに見てくださったり
各自のレベルに合わせた指導を
してくださる可能性が高まります。


小規模のクラスでも

皆んなが同じ課題に取り組む
スタイルもあれば、

全員がそれぞれ好きな課題に
取り組むスタイルの教室もあります。



初心者の方は
いきなり個別指導のような形は
敷居が高いと感じられるかもしれませんが、

だからといって
完全に放任されては
肝心の基礎がなかなか定着しません。





ですので、

4人〜10人くらいの規模の教室で
他の生徒さんたちの作品を見たり
他の生徒さん達が受けている
塗り方の指導などを聞きながら

少しずつ
お教室にも画材にも慣れていく
という感じがいいのではないかな
という気がします。


大人数の教室でも
アシスタントのスタッフさんが何人か
いてくださると

気軽に質問なども出来て良いですね。





基本的には
生徒の人数が少ない方が
先生との距離も近く

個別に指導していただける時間も
増えると思います。
 

大きな教室でも
アシスタントを増やして

生徒さんのサポートをしている
クラスもあるので

まずは
「体験レッスン」や「見学」で
実際の様子を見学させてもらえると
良いですね。






大人の水彩画教室選び|料金・内容で選ぶ




お教室のお月謝は
時間の長さや頻度にもよりますが、

5,000円〜10,000円あたりが相場かなと
思います。
 

これまで
絵の画材や、教室のレベル(コース)、
教室の規模について書いてきましたが、

教室の雰囲気に違いが出てくるのが
先生やスタッフの個性と、
教室の指導面です。





ここでは
指導内容について少しご紹介します。

絵をはじめる時に
まず最初に必要になるのが道具です。


道具の指導も
お教室によって異なります。


「最初は道具にこだわらなくて大丈夫」
「適当なものを選んでまずは始めましょう」

と指導する教室もあれば、
 

最初の道具選びから
使う画材を指定して
指導をされるお教室もあります。





前者は気軽に始められ
すぐにスタートできますが、

いつまで経っても
描きたい絵が描けないといった
悩みを抱える場合があります。
 

一方、後者の場合
最初からある程度は本格的な道具を
きちんと買い揃える必要があり、

そのかわり
絵の完成度は高くなるでしょう。



そのお教室の指導内容の実質は
生徒さんの作品を見れば一目瞭然です。

自分が挑戦してみたいと思うような絵を
生徒さん達が描いている教室であれば
安心して通うことができますね。






また
クラス展などを開催する
教室もあります。


やはり
きちんと飾れるような
作品を最後まで仕上げる経験は

絵の上達にとても効果的です。


作品に仕上げるまで
指導してくれる教室は

描き方だけを教える教室よりも
満足度は高いのではないかなと思います。






最後にやはり
『体験レッスン』が出来る教室
いいですよね。
 

先生の雰囲気や
生徒さん達の様子を見ることで

この教室で
自分が楽しく絵を描けるか
 

あるいは
この教室に通いたいかどうか

なんとなく分かるのではないかな
と思います。





大人の水彩画教室選び|距離で選ぶ




教室えらびには

自宅からの距離や
通うための交通手段
を考える必要も
ありそうです。
 

道具や描きかけの作品を持って
通うことを考えると

画材によっては
交通手段も考えないといけないかも
しれません。





その点、
水彩画は比較的楽かなと思います。

私が関わっております
水彩画教室では、

60代〜80代の方々も男女問わず
遠方から絵を習いに来られています。
 

最高齢の84歳の男性は
毎回片道1時間半をかけて
バスと電車を乗り継いで

いつもキラキラした目で
楽しく絵を習いに来られています。






教室というのは
絵を描くだけでなく

良い仲間と刺激し合える
とっても楽しい場所なのです。
 

水彩画は道具も作品も
比較的軽いので距離はあまり気にせずに

本当に習いたいと思う教室に
通うことをおすすめします。






■ どうしても通えないとき




そうは言っても
色々な条件が合わず

通いたいと思う教室に
どうしても通えない方も
いらっしゃると思います。
 

そのような時には
本屋さんでDVD教材などを
購入して挑戦したり、

インターネットを使った
オンライン絵画教室
通信講座を受講するのも1つです。


通信講座の利点と注意点を
▼こちらにまとめました。

🔻関連記事

絵を描く時間を取り戻す|自宅で透明水彩《通信講座のすゝめ》





教室に通う以外にも
「描いてみたいと思う絵を学べる」環境が
あるかどうか探してみる価値はあります。


いずれの方法も
自宅でひとりで絵を描くことが前提となり、

特に
はじめて絵を習う方にとっては
難しく感じられるかもしれません。


そこで
押さえておくといいポイントを
3点ご紹介します。




  1. 描き方や塗り方が動画などで実際に見れること
  2. 納得して進められる丁寧な解説のついた実践的な教材があること
  3. 自分で自分の絵を評価できるようになる知識の提供、あるいは評価してもらえる個別添削指導があること

この3点が全て揃うことで
実際の教室に通っているのと同等か、

場合によっては
それ以上の効果が期待できます



たとえ一つの場所で
理想の環境が見つからなくても
あきらめずに

「DVD教材でまずは塗り方を見て学ぶ」
「通信講座で塗り方を詳しく学びながら
実際に絵を描いてみる」
「オンライン教室で絵の講評をしてもらう」

といったように
いくつかの学びを組み合わせることも
ぜひ検討してみてください。





自分のペースで楽しく絵を学べるように
段階を踏みながら
少しずつ難しいものに挑戦していけると

上達とやりがいを感じながら
進んでいけるのではないかと思います。


まずは一つ、
無理せずに始められそうなものを探して
スタートできるといいですね。


時間をかけて工夫しながら
自分のペースで絵を習得していける方法を
ぜひ諦めずに
探してみていただけたらと思います。





大人の水彩画教室選び|学び方を意識する




学ぶということは
一体どういうことでしょうか。

大人の学びともなると
穏やかで力強い向上心や探究心が
静かに自分を突き動かしていると
いった感じではないでしょうか。
 

そんな気持ちを大切にして
風通し良く楽しく
新しい学びを取り入れていきたいですね。





教室」というのは
先生やスタッフだけでなく
生徒の側の皆さんも一緒に
作り上げていくものかもしれません。
 

楽しい教室にしようと
先生やスタッフさんが
努力されているのはもちろんですが、

楽しく学ぼうという意識で参加される
生徒さんが集まることで

教室はどんどん楽しい雰囲気になり
素敵なクラスになるのではないでしょうか。





つまり
楽しく学ぶためには

学ぶ側にもそれなりの『学び方の心得』
というものがあるのかもしれません。

 

それは一言でいうなら
先生への敬意の現れ
ではないでしょうか。

そのあたりの心得がきちんと定まっていると
上達のスピードも速くなると思われます。





なぜならば
先生への敬意が薄いまま
教室に通ってしまうと

ついつい自分の考えや自分の都合を
優先させる気持ちが先立ってしまい、

先生の言う事を素直に聞けなかったり
自己流を貫いて
思ったような効果が得られなかったり

ということが出てくるからです。


習いに行っているのだけれど
習うことができない状態です。





こうなってしまうと
せっかくの学びの機会が
もったいないですね。

こういったことを避けるためにも
「体験レッスン」
先生や教室の雰囲気を知る良い機会です。
 

自分が心から素晴らしいと思える
先生と出会うことができて、
その先生の指導を受けることが
本当に嬉しくて楽しい!

そんなウキウキするような時間を
過ごせることが
学びには本当に大切だと私は思います。





■ 卒業するとき

また一方で、
自分の独自性の芽生えが確立して

自立してやっていきたい
という段階が訪れることもあると思います



自分で思ったようにやってみる
ということは素晴らしいことですよね。

その研究心、探究心はとても大切で、
むしろこれがなければ絵の上達は
途中で止まってしまうかもしれません。





教室で学べる環境を活かしながら
さらなる成長を目指していける工夫は
色々とあリます。

率直に先生に相談すれば、
「少し難しいモチーフに
挑戦してみましょうか!」
と独自の制作を支援しながら
指導してくださるかもしれません。


あるいは
オンライン教室や通信講座などを利用して
少し難しそうなやりがいのある課題に自力で
挑戦する機会をプラスするのも良いですね。





あるいは
他の画法(油絵や日本画)に挑戦するために
教室を卒業する時期が来る
場合もあるかもしれません。


そんなとき、

『先生のお蔭で
ここまで成長することができました』と
先生に感謝の気持ちを述べることができたら
本当に素晴らしいですよね。


先生への敬意があると
上達が早い上に
気持ちよく卒業することも出来て、

新しい環境へ一歩踏み出すことも
スムーズに進めていけると思います。





初心者の方であっても
経験者の方であっても

本当に信頼し尊敬できる先生と
出会える事は

本当に貴重なことだと思います。





大人の水彩画教室選び|まとめ




  • 『こんな絵が描きたい!』と思える絵が描ける教室を選ぶのがポイントです。
  • はじめて絵を描く方は、小規模のお教室で他の生徒さん達が学ぶ様子を見ながらゆっくり馴染んでいける環境がお勧めです。
  • 先生への敬意が上達の秘訣と言えるかもしれません。


絵を描くには独学という選択肢もありますね。ですが、はじめて学ぶ段階で一度は実際の塗り方を目の前で見ることができる体験を作られるといいのではないかなと思います。色の塗り方や筆に含ませる水の量、紙選びや技法のコツなど、ひと目みればすぐに分かることが結構多いからです

▶︎ 「絵を描く時間を取り戻す|自宅で透明水彩《通信講座のすゝめ》」では、教室に通うことが難しい方のために通信講座の利点をまとめています。

NORi




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